ハンター夢

□試験×開始×出会い
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後ろの方からはキルアの楽しそうな声が聞こえてくる。何やら気が合う受験生を見つけたようだ。良かった良かった。そんな事を思いながら、スピードを早め先頭集団に紛れ込む。
やがて、目の前には階段が現れた。
「さて、ちょっとペースを上げますよ」
サトツさんは涼しい顔でスタスタと階段を登っていく。後を追いかける受験生は一部を除いて皆必死だ。
この階段でかなりの人数が脱落するだろう。そう思っていると、不意に後ろから声を掛けられた。
「ナマエ姉ちゃん発見!」
「キルア、余裕そうだね」
「うん。だってペース遅いんだもん。こんなんじゃ逆に疲れちゃうよなー」
「そっか――若いっていいね……」
少し遠い目をしてしまう。持久力にあまり自信のない私には苦言だよ、キルア。
「ねぇキルア、その人キルアのお姉さんなの?」
「ナマエ姉ちゃん?兄貴の婚約者だよ」
「あくまで『候補』にされてるだけだからね、少年!」
「あ、こいつゴンって言うんだ」
「初めまして、ゴン君」
「初めまして、ナマエさん!」
若者は元気だなぁ……そんな事を思っていると、地上への出口が見えた。

地上への中間地点 脱落者37名
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