小説
□やっちまった企画第2弾!?続・ヒバツナキセキ!!!
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ドアを開けて覗いた顔に、綱吉は思わずあれ?と声を上げていた。
「緑間くん、だよね」
「沢田綱吉か」
「ここって、黄瀬くんの家だよね」
言外に、なんでいるの、という意味を汲みとって、緑間が小さく頷く。
「緑間くん、お客様ですか 」
奥からテツヤの声が聞こえた。
「ツナくん?」
「テツくん、こんにちは」
「こんにちは。きょうはどうしたんですか」
「うん、家に寄ったら、お中元の余り物をもらったんで、おすそわけに」
「あ、ゼリー」
「水ようかんもあるんだけど、嫌いじゃないかな」
「ボクは好きなので、大丈夫です」
黄瀬は置き去りな答えだが、ふたりとも気にした様子はない。
「おい」
綱吉が抱えている箱を覗きこんで、わあわあ盛り上がっているふたりに、低く緑間が声をかけてくる。
「なぜおれがここにいるという疑問を忘れるのか、わからないのだよ」
「説明して欲しかったんですか」
「………そういうところが、合わないのだよ」
テツヤに向かって、思いきり眉間のしわを深くした緑間だったが、それも長くは続けられなかった。
「緑間くんは、水ようかんのほうがいいかな」
目の前に、小倉と書かれた缶を突きだされて、緑間の目が寄る。
「抹茶もあるけど」
「……沢田綱吉……」
緑間の声が剣呑に感じて、テツヤが割って入ろうとしたとき、綱吉の持つ箱が奪われる。
「ようかんも好きだが、決めつけられては不本意なのだよ。白桃ゼリーは、もっと好物だと覚えておくのだよ」
緑間は、綱吉にそう言い含めながら、彼を連れて室内に入って行く。
「さすがですね、ツナくん……」
おそらくは無意識に緑間の気を逸らした綱吉に、テツヤは感心しつつ後に続いた。