story
□ボンゴレファミリー1
5ページ/9ページ
今まで話していた人物が、ドアから出てきた。
「十代目…あいつ」
「うん…」
そのまま2人はじっと少女を…イザベルを観察した。
2人の緊迫した心とは裏腹に、イザベルは奥のほうに歩いていき、フェンス越しに景色をながめていた。
「…やっぱり、怪しいですよ」
「え?」
しばらくして獄寺が、相手から目を離さぬまま呟いた。
「あいつのスカートのポケットから見えてるの、何かわかります?」
指がさされた方向をたどっていくと、なにやら棒のようなものがポケットから顔を覗かせていた。
金色の棒に、茶色の薄い動物の皮が巻かれているかんじだった。
「…万年筆かなんかじゃない…?」
「…俺には特殊な武器にみえます」
「そんな…」
考えすぎだよ、とツナは獄寺の肩を軽く叩いたが、獄寺は険しい顔のままだった。
そして自分のポケットから何本ものたばこをだし、火を点火する。