story
□ボンゴレファミリー1
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「……」
「……」
お互い沈黙のまま、二人はならんで道を歩いていた。
「…あ、あのさ」
ツナが口を開いた。
「その…さっきはごめん、いろいろ言ったり、疑ったりして…。」
「…別に……。」
「よかった…」
ツナは安心してため息をついた。
「…ねぇ」
「な、何?」
「…なんで、あんたはボンゴレ十代目のボスに選ばれたの?」
「…え?」
突然の質問に、ツナは戸惑った。
「…それは…勝手に決められたんだよ。」
「勝手に?」
「うん。ある日いきなりあのリボーンってやつがウチに来て、俺をマフィアのボスにするって言いはじめたんだ。そっからはもうあいつに振り回されてばかりなんだよ。戦いとかもさせられて痛い思いしたり、友達を巻き込んだりとか…もうさんざんだよ…」
「ふうん…」
「あ、ごめん。長く話しすぎちゃった。えっと…お見送り、ここまででもいい?」
激しく車の行き交う交差点で、ツナは足を止めて言った。
「うん、ありがとう」
「じゃあ、気をつけてね!…あ、明日また学校で会うんだっけ?」
「多分…」
「そっか、じゃあまた明日!」
ツナが大きく手を振って、やがて走り去っていった。
「……」
しばらくの間、イザベルはぼーっと立ち止まっていた。
「やっぱり、弱そうな人。」
そして、ぽつりと呟いた。