北斗
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北斗の朝は早い。
昇る朝日の熱を背に感じながら、ジャギはランニングコースを走っていた。
街は静まり返り、朝特有の少し冷たい空気がジャギの身体にまとわりつく。
「腹減ったなあ… 」
男のような口調は兄者達に注意されてはいるが、
如何せん癖になっているため治せない。
男勝りな性格と女らしい身体。
女だからって弱く見られたくない。
そんな思いで半ば強引に北斗神拳を学び始めてからずっと、
この早朝稽古は続けている。
お陰で今は 兄弟達と並んで『北斗兄妹』と呼ばれ、
"北斗神拳伝承者候補"までのし上がった。
強くなることへの執念と、ジャギ自身の真面目さが
伝承者候補へと成長させたのだ。
「はぁ…はぁ… 」
立ち止まったジャギ振り向き、背に感じてた朝日を見た。
眩しい光に目を細める。
その暖かな日を浴びていると、
ふと腹の虫が鳴った。
「あーっ 腹減った ! トキ兄者起きたかなぁ」
次兄の作る朝食を期待しながら
道場までの道のりを急いだ。
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