北斗

□魔王の賭け
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「あなたは… ラオウ !? 」

二人しかいない広い部屋にリンの声が響く。
目の前にいる兜を外した男は、
かつてケンシロウが兄と慕いながらも
覇道を止めるべく倒した男にそっくりであった。

「ラオウは俺の弟だからな、似てて当然だ…」





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「…ふーん」
「…なんだ、その反応は」

持ち主のサイズに合わせられたドデカイベッドになげだされてるリンは、
カイオウの言葉に生返事で返した。

「あ…て事は、トキさんとも兄弟ってことね」

思い出したかのように言った。

「まあ、そうなるな」
「へぇ、全然似てないわね」

ベッドに頬ずえをついてリンはカイオウを見上げた。
黒い肌はラオウに似ているが、銀の髪はトキ寄りだろう。

「面白いわね…」
「…お前、今の状況がわかってんのか ? 捕らえられてるんだぞ…」

眉をひそめるカイオウに、リンは言う。

「私はケンが来てくれる事を信じてるもの」

強い意志を放つリンの眼。
カイオウは眩しいモノを見るように目を細くする。

「俺は、お前のような愛や希望、光に満ちている者を見ると虫酸が走る…」

ギシリ、と音をたててベッドが軋む。
ベッドに腰をかけたカイオウは、リンの腕を掴んだ。

「だが、虫酸が走る奴等でも、苦痛や苦しみに顔を歪ませるのならば別だ…」

低く地の底から這い上がる様な声音にリンの身体が震えた。
先ほどまでとは違う、怯えた小動物のように大人しくなったリンを見て
カイオウはほくそ笑んだ。

「分かるか、リン。悪の前では全てが怯え、恐怖に悲鳴をあげる。
 悪こそがこの世の全てなのだ!」

カイオウの言葉が部屋中を巡り、リンの心に衝突する。

「カイオウ、あなたは愛を忘れただけね」
「…なんだと」

腕を掴むカイオウの手を撫で、リンは諭すように言った。

「誰にも愛はあるもの、あなたは愛を忘れただけよ」
「…馬鹿馬鹿しい、魔王に合いなど不要」
「あなたがこのようになってしまったのは愛を忘れたから!愛を取り戻さなければ…」
「ふん…ならば、賭けをしよう」
「賭け… ? 」

カイオウの言葉に、リンが聞き返す。

「俺の愛を取り戻してみせよ。そうすれば全てを解放してやる。
 この国も、民も」
「…本当に !? 」
「だが、出来なければ俺の手で皆殺しだ。お前も、ケンシロウ達も全て」

その言葉にリンは唇を噛み締めた。
私がやらなければ、皆が死んでしまう…。

「どうだ、リン」
「や、やるわ…あなたに愛を教えてあげる」
「…ふん、精々足掻くがいい」

そう言うとカイオウはベッドから立ち上がり、
兜を被り直して部屋から出ていった。

「私が、ケン達を守るわ… !! 」


リンの決死の賭けが、今始まる…!!






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みたいな。続かない。
カイオウ様×リンちゃん
一番最初に好きになった北斗NLカポーなんだカイリン。
外道と少女とか好き好き。

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