北斗

□おんなのこのひ
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「…何をそわそわしてるんだい、ケンシロウ」
「トキ兄さん、ジャギ姉さんが起きてこない…」
「そんなに気になるならお越しにいきなさいよ」
「うん…」




+++++



「姉さん起きて、朝ごはんだよ」


声をかけても返事がない。
いつもなら誰よりも早く起きているのに。

「姉さん、入るよ」

恐る恐るケンシロウが部屋へ入ると

「…姉さん ? 」
「うぅ…ぐ…っ…」

カーテンが閉まったままの薄暗い部屋の中、
ベッドで布団に丸まってるジャギの姿があった。

「姉さん!」
「ん…ケンシロウかよ…」
「ジャギ姉さん、すごい汗だ…」

腹を抱えてうずくまるジャギの額には玉の様に汗が吹き出し、
表情もとても険しい。

「どうしたの姉さん!」
「あーもう、大丈夫だから!トキ兄者呼んでこい!」

ケンシロウに怒鳴ったあと、また唸るジャギを見て
ケンシロウは急いでトキを呼びにいった。



+++++



「あー、女の子の日ね」

ジャギの生理痛には慣れっこのトキが
ジャギの枕元で診断した。

「兄者ぁ、薬ぃ」
「はいはい、兄さーん」

そう呼ぶと、部屋のドアからラオウがヌッと出てきて
トキに言われた通りの薬を持ってきた。

「ジャギよ、大丈夫か… ? 」
「一応…」
「姉さん…」

ラオウの後ろから心配そうに眺めるケンシロウ。

「だーもう、大丈夫だからっ!ケンシロウそんな顔すんな!」
「そうだよケンシロウ、ラオウ兄さんと先にご飯食べてな」

トキがジャギの腹を撫でながら諭す。

「うん…」
「…俺もジャギの腹を撫でたい」

トキの手元を見ながらラオウが言い漏らす。

「ダーメ、兄さんは力加減が信用できない」
「む…」

悲しそうに眉間にシワを寄せる長兄。

「あ、兄者、今度撫でさせてやっから」

慌ててフォローするジャギに弱く微笑んで、
後ろ髪引かれるような思いのケンシロウを連れて
ラオウは部屋を後にした。

「さて、とりあえず収まるまで寝てなさい」
「うん」
「なんかあったら呼んでね」
「わかった…」

優しく撫でてたトキの手が離れ、
今度は自分で手を腹にのせる。

「後でご飯持ってくるから」

そう言って部屋から出るトキを呼び止める。

「あ、兄者っ」
「ん ? 」
「二人にも、ありがとうって言っといて…」

語尾が小さくなりながらも伝えた言葉に
トキは優しく笑って頷いた。

ドアが閉まって薄暗くなった部屋で、
ジャギはまた布団に丸まって目を閉じた。







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なんか腹痛酷かったから
紛らわそうとして…

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