北斗

□南斗と納豆と。
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7月10日。

その日は 朝から何処かワクワクを隠しきれてないユダの姿がありました。
その足取りも軽さは、いつ足を掛けられて転ばされてもおかしくないくらい。
そんなユダが外を歩いて居ると…。

「レイじゃないか」

向こうからやって来たのは 朝の稽古を終えたレイでした。
首にタオルをかけて歩いてくる姿にユダは心奪われます。

(……っは!またおれはレイに心を… !! )

「なんだユダ。ジロジロ見んなよ」

怪訝そうにこっちを見るレイに ユダはある質問をしました。

「おいレイよ。今日は何の日か分かるか ? 」

それはユダがワクワクしている原因でもありました。
それほど 今日は特別な日なのです。

「今日は、7月10日だよな…」

考えるレイ。フフン と口角を上げるユダ。

「しょうがない、この美しく優しいおれさまがヒントをやろう。
7月10日を語呂合わせするのだ !! 」

「…あぁ !! 」

閃いたレイは どうだと言わんばかりにユダに答えました。

「納豆の日だ !!! 」

それはもう自信満々に答えました。
それを見たユダは…。

「貴様はアホか !!! 」

突然怒鳴りました。どうやら怒っているようです。

「貴様はアホか !! 」

「なぜ俺がアホなのだ!2回も言うな!」

「今日は7月10日、南斗の日 だろうが」

少し頭を捻らせた後気付くレイ。

「確かに」

「確かに ではないわ !! あぁもう、貴様に聞いたおれが馬鹿だった !! 」




+++++



ぷりぷり怒ってるユダと 暇だから付いて行くレイの方に 今度はシュウが通りかかりました。
両手に大きな袋を持った彼は 買い物帰りのようです。

「やぁ、ユダにレイ。二人が一緒とは珍しいな」

「シュウよ、貴様は今日が何の日か分かるか ? 」

「どうしたんだい、いきなり」

「シュウ 答えてやってくれ。じゃないとユダがまた怒る」

「またって… さっきも怒ったのか ? 」

「違う!あれはレイがアホだからだ !!
そんなとこより、今日が何の日か だ」

「ははは、分かるよ。その為に 買い物に行ったんだから」

そう言うとシュウは 手に持っている袋を二人の前に突き出して見せた。

「今日は納豆の日なんだ。我が家で納豆パーティーでもするかい ? 」

袋の中を覗いてみると 見事に納豆のパックや大豆食品だらけ。
南斗のお父さんは料理が得意のようです。

「メインは納豆料理なんだが 大豆繋がりで豆腐料理や味噌汁も出るぞ」

「おぉ、豆臭いパーティーになりそうだな。アイリも連れて行って良いか」

不思議なパーティーに食いついたレイと 大豆食品を極めようとしているシュウを他所に
ユダは俯いて肩を震わせていました。

「どうした ユダよ。納豆は苦手か ? 」

下を向くユダの顔を覗き込むシュウに ユダは食って掛かりました。

「シュウ お前もか !! 」

「ブルータスみたいに言うなよ」

レイの冷静なツッコミ。

「今日は 南斗の日 だ !! 」

「納豆の日じゃなくて ? 」

「そうだ !! 全く、貴様らは 南斗六聖だろうが !!
みな納豆にうつつを抜かしやがって !! 」

そう言うとユダはドスドスと歩いて行きます。

「おーいユダ !! 今日の納豆パーティー来るかー ? 」

「行くわ !!! 」
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