短編

□頂きもの Love Letter!
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Love Letter!







「なぁ、仁王」

「なんじゃ、ブンちゃん」

「お前、何か珍しく授業受けてたけどよ、何か変なものでも食ったのかよい?」

「ブンちゃんじゃあるまいし食べんぜよ」

「んだと!?」


 古典の授業中に必死に机にかじりついていたのがばれてたとは…俺もまだまだじゃ。


「?」

「あれー? なになに? ラブレター?」

「…いや、宛名の文字は女子っぽいよ」

「マジかつまらん」


 あの子が帰る前にと帰りの学活が終わってすぐに飛び出して、あの子の下駄箱にこっそり偲ばせた淡い青色をした封筒。


「(女子に出される心当たりなんてないんだけどなぁ…)」


 今ごろ、読んでくれてるだろうか?




『相瀬 結衣ちゃんへ

 宛名が女子の字っぽくて驚いた? 俺ちょお頑張ったナリ。
 えっと、怒らんでな? 別に嫌がらせの手紙とかじゃないから!

 今日がなんの日か覚えとる??
 今日は、結衣ちゃんと俺が付き合いはじめて1年たった日じゃ。1年前の今日、付き合いはじめたんぜよ…告白の時は、その…泣いてしまってすまん…。めっちゃ緊張してたんじゃ…。

 ホントは、会ってお祝いしたいところなんじゃけど、俺たちの付き合い誰も知らん(やぎゅさん除く)し、無関係装ってるからバレたときが大変じゃし…、。っていうか幸村たち辺りには俺に本命がいること気付いてそうで怖いナリ。
 だから、こうしてお手紙。

 何か、カッコいいのは外面だけで、実際はヘタレだし、決めなきゃいけないところで泣いたりしてるけど、でもそんな俺の傍に居てくれてありがとさん。
 なにも良いとこなしの俺じゃけど、これからも結衣ちゃんのことは大切にしていきたいし、結衣ちゃんの彼氏としてもっと頑張りたいと思うんじゃ。

 こんな俺を好いてくれてありがとぉ。
 これからもよろしく頼むぜよ!』



 差出人の名前を書く代わりに貼ったひよこのシール。そのシールを買ったのはあの子との初デートでだったのをあの子は覚えてるかの。



『P.S. 今日の夜デンワするから起きとって!』





「…ふふっ」

「ちょっとー、何笑ってんのー? そんな笑える手紙だったの? っていうかなんだったの?」

「んー…熱烈なファンからのラブレター、かな」

「あーらやだ、女の子にモテちゃってどうすんのよ」



 早く夜にならないかな。
 早く、あの子の声が聴きたいな。



「で? 何をあんな必死に授業受けてたんだよ?」

「んーラブレター書いとった」

「はぁ!? ラブレター!?」

「もうすぐ親の誕生日じゃからの、今年は兄弟からの熱烈なラブレターをプレゼントにしようって話になっとったんじゃ」

「…お前ん家ってホンット仲良いよな…」



 きっと柔く笑ってお疲れさまって言ってくれるんだ。
 本当は付き合いが公にできれば俺も自慢できるんだけど、俺の立場が立場じゃし、噂がめっちゃ一人歩きしてるからのぅ…。
 なるべく、あの子のことは傷付けたくないから、まーくん我慢の時ナリ!








2014/06/14 サイト一周年おめでとうございます!










お友達であり相互サイトのみっこん様から頂きました。
わざわざ1周年のお祝い小説をありがとうございます!
へたにお万歳\(^O^)/
彼女の前では詐欺師になれない仁王が可愛い。
(2014/06/14)

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