神様days

□平凡少女とモテモテ少年
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サァー


気づけば、何もない草原に一人立っていた。

風が吹き、柔らかい草花がなびく草原。

だが、あたしはここがどこかわからない。


『ここ…どこ…?』


周りを見渡しても、本当に何もない。

…と思ったが。


『…あ』


いた。

一匹、いた。

あたしをじっと見つめる見たことない、動物。

目は綺麗なスカイブルー。

金色の毛で、斜めに立った長い耳が4つある。

背中にはとても小さい、羽があった。

大きさは、柴犬くらいだろうか。


『何…あれ…』


あんな生き物、見たことない。

あたしも、それをじっと見つめた。

だが、その生き物は急にあたしから目を背け、あたしとは反対方向に駆け出したのだ。


『!待って!』


あたしも、その生き物を追って走り出した。

なぜ、あの動物を追うのか。

それはわからないけど、あたしの足は止まらない。


『どこ行くの!?』


どこにあったのか、いつの間にか森に入っていた。

あたしとその動物は、未だ間の距離を保って走り続けている。


『速い…!!』


さすがは動物と言うべきか。

足が速い。

足元の木の根をよけながら走っていると、そのうち森を抜けた。


サァー


そしてまた吹く風。

目の前には今度は、綺麗な花畑があった。

その花畑の真ん中に、一人の髪の長い女の人が座っている。

いつの間にか、動物はその人の隣にピタリと座っていた。


『だ、れ…?』


よく見たら、その人は何かを抱いている。

赤ちゃん…かな。

自分の子供なのか、愛おしそうに、微笑みながら赤ちゃんを見る女の人。


名前


何て言ったかは聞こえなかった。

だが、おそらくは赤ちゃんの名前…。

その直後、女の人は、ゆっくりあたしの方を向いたのだった−−−。
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