短編


□可愛い
3ページ/3ページ

「お、仁王。どうした?」
「ブンちゃん」
「ん?」
『ふははははは!!ブン太よ、地獄を見るがよい!!』
「お前、悔しくて仁王を味方につけてきたのかよぃ!!」


雅治はブン太に笑いかけ、


「ブンちゃん…歯ぁ食いしばりんしゃい!!
ぐはぁ!!
『ヤッホー!!ブン太ザマァ!!』


雅治はブン太をグーで殴った。

ブン太は綺麗に吹っ飛んだ。


「な、なんだ仁王…。たかが名前の為にここまで力こめなくても…」
「たかがぁ?てめぇ、一生残る傷作って欲しいのか?
申し訳ありませんでした


雅治がなんと標準語でブン太を睨むと、ブン太は地に頭つけてあたしに謝ってきた。


『はーはっはっ!!まあ?そこまで言うなら?許して?やるよ?』
「ムカつくー!!てめ、マジでムカつくー!!」


雅治はパンパンと手を叩き、


「大丈夫じゃ、名前。ブタよりもお前さんのがずっと可愛いナリ」
『雅治!!』


雅治はあたしの肩に手を置き、そう言ってくれた。


「仁王!!お前、名前に何言ってんだ!!お前マジ仁王か?柳生じゃねぇか?つか誰がブタだよ!!」
『雅治だって、ブタの数億倍かっこいいよ!!』
「ありがとさん」
「ブタじゃねぇよ!!」



可愛い


「(つかなんでお前らそんなカップルみたいな会話してんだ)」
『(あれ?言ってなかった?あたし達付き合ってるんだよ)』
「(ええぇぇぇ!!)」
「(もうかれこれ半年じゃ)」
『(あたしを傷付けたら雅治の拳が飛びます)』
「(覚悟しんしゃい)」
「(………)」
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ