短編


□息
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「そんな事よりも、名前は息の匂いだけでキスを拒否るんか!?」
『いや…あまりの匂いに耐えられなくなってしまい…』
「そんなに臭いか!?」
『おん…!!』


めっちゃ。臭い。おん、臭い。

ウチはポケットからミントガムを取り出した。


『はい、ミントガム。これ噛んで出直して来い!!』
「え〜メンドッ!!もうちゃっちゃとキスくらい済まそうや〜」
『臭いの我慢できない。キスがスルメ味とかヤだ』
「うわっ!!ワガママやな!」


ええい、うるさい!!


『考えてみろよ!謙也も息の匂いはわからんくっても、味はわかるやろ!!キスがスルメ味ってどう思う!?』
「………」


謙也はしばらく黙った。


『………嫌やろ?スルメ味』
「……いや、そんなんどうでもええわ」


なんだと…!?


「名前とのキスはどっちにしろ甘いやろ?どうせ」
『…!!』


と き め い た 。






『(…男前やな、謙也)』
「(何を今更)」
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