短編


□息
1ページ/2ページ

自身を包む大きな腕。

見上げる程の身長差。

どんどん縮まる2人の顔の距離。

顔にかかるお互いの息。

息。

……い、き……?


って、くせぇぇぇ!!
「うおっ!!イタッ!」


キスする寸前、お相手の彼氏…謙也の息があまりに臭くて顔を背けてしまった。
その際、ウチの髪が謙也に当たったらしい。


「ちょ…急になんやねん!!KYやなまったく!!」
『やって…謙也息臭い…!!』
「は?マジで?」


謙也は口元を手で覆い、ハーと息している。


「…臭いか〜?」
『臭いわっ!!なんか…スルメの匂いする!!』


これじゃキスもスルメ味!!なんてロマンのない…!!


「スルメ…?あ、そういや弁当の後スルメ食べたんや!」
『オッサンか!!』


なんで学校に持ってきてまで食べるのだ!?


「あ〜…だから今日友達と喋ってる時、相手がよく顔をしかめてたんか」
『その時点で臭いって自覚しろよ!!』


臭いのは誰やって嫌やん!!
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ