恋してます!

□何を願いますか?
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「…お待たせ」


にっこりととても楽しそうな笑顔で平門さんは戻ってきた。


「お、おかえりなさい!」


ネクタイに指をかけて、緩める仕草に、きゅんとする。
そして、私の座っている隣に腰を下ろす。

ち、近くないですかっ?!


「あ、あのっ…平門さんっ」

「ユズリ……」

「あ、っと…」

「俺を、許してくれるか?」

「……え?」


平門さんの言葉に、きょとんとする私に、彼は口をゆっくりと開く。


お前が俺を好きだというのは、毎日毎日聞かされていたから、知っていた。

言葉を聞かずとも、なんとなくは気づいていたんだ。


俺は、それを当たり前のことと思っていた。
お前が好きなのは、俺だ、と。

ユズリは、絶対に俺意外を好きにはならない。

そう、ずっと思っていたんだ。


だから、お前が俺を避けていたとき、やっとそれが当たり前ではないことを知った。


お前を傷つけていたこと、本当に、済まなかった。


「…平門、さん……」


平門さん、そんなこと……。


私は、胸が苦しくなった。
今すぐにでも、彼を抱きしめたい衝動に襲われて。


「……ユズリ…?」


平門さんを抱きしめて、子供でもあやすみたいにぽんぽんと背中を叩いた。

すっごく、愛しい。


「平門さん、私……怒こってなんていません」


だから、


「そんな顔、しないでください…」


私は、両手で平門さんの頬を包み込むと、そっと、自分のそれを彼の唇に押し付けた。


「平門さん、大好きです……」


あわよくば、このままずっと、平門さんと一緒に居られたら……。


平門さんは、私に、同じことをして、優しく微笑んだ。


「きっと、ずっと前から、俺も、お前に惚れていたんだな」


もう、平門さんと離れたくなんて、ないよ…。



-to be continued?-


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