青色*恋色

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トントントントン


静かな室内に、リズミカルに包丁の音が響く。
食材を切っていた手を止め、壁に掛かった時計を見ると、時刻は間もなく7時になろうとしていた。


(黒子君、そろそろ部活終わったかな?きっとおなか減ってるだろうし、おいしいご飯たくさん作ってあげなきゃ!)


彩香は大好きな相手のことを思いだし、幸せそうな表情をした後、再び包丁を動かし食材を切りはじめた。




*******

完成した夕食を机に並べたときには後5分で8時になるという時間だった。


ピンポーン


使っていたエプロンをはずそうと手をかけたとき、鳴り響いたインターホンに彩香は顔を綻ばせた。


そして直ぐに玄関まで走っていき、扉を開けるとそこに立っていた人物に思いっきり抱きついた。


「黒子君、いらっしゃい。部活疲れたでしょ?」

「ありがとうございます。お邪魔します」


慣れているのか、黒子はいきなり抱きついた相手に驚く様子もなく室内にはいると靴を脱ぎ、リビングに向かった。









「ご飯よそってくるから、手を洗って待ってて」


そういうと彩香は、パタパタとスリッパの音をさせながら、キッチンへと戻っていった。




******

「じゃあ、今日は案外早く終わったの?」
「そうなんです」
「だったら今まで暇だったでしょ?」
「そんなことないですよ。マジバでバニラシェーク飲みながら本を読んでましたし、その後は火神君と1on1してましたから。」


火神と言う名前に聞き覚えはなかったが、少し嬉しそうに話す黒子を見て自然に笑みがこぼれた。


「明日の部活見に行っても良い?」
「たぶん大丈夫だと思いますけど」
「やった!じゃあ、明日見に行くね!!まー、だめだって言われても勝手に見に行ってたし」


普段はあまりバスケに興味がない彩香も大好きな人がしているとなれば別である。むしろその姿をずっとみたいと思っていたが、学校が違ったため叶わなかったのだ。

 





*******
取り敢えず2話目完成。私の小説はよく中途半端に終わります。 .
 

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