るろうに剣心

□8 剣心対斬左
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喧嘩屋が現れて二週間。
その後何事もなく時は過ぎていった。
私は最近行きつけのお店となって来た団子屋「にゃんころもち」に来ていた。
いつものみたらし団子を食べ、お勘定を済ませる。

おばちゃん「いつもありがとうね」

『いえいえこちらこそ。また来ます』

暖簾をくぐって外に出る。
しばらく歩いているといつぞや会った鶏頭が見えた。
今日は何だかとても長い布でくるまれた何かを持っているみたいだ。

『・・・鶏頭』

小声で呟いたが、意外と聞こえたようでこちらに気が付き寄ってくる。
そして若干不機嫌そうな顔で言ってくる

鶏頭「誰が鶏頭だよ、オイ」

『何だ聞こえてたか』

鶏頭「何だとは何でぇ」

『そんなでっかいもの持ってどこに行くんだ?』

鶏頭と言われたのが少し不満だったようなのでさらりとそのことは流してでっかい

ものの正体をちょこっと訪ねてみる。
こんなものを持って一体この男は何処に行くというのか。

鶏頭「いや何、ちょっと喧嘩しにな」

『へえ。前はそれ持ってなかったよな』

鶏頭「今回の相手は二人、それも凄腕なんでな。俺の相棒を連れて来たんだ」

この男が凄腕という相手?
しかも二人。
ふうん。
顔くらいは拝んでみたいかもしれない。

鶏頭「しかし今その一人に会えるとは思ってもみなかったけどな」

『・・・は?』

二人の内一人に会えた?
つまり私か?
その一人が私なのだとすればもう一人は大方見当が付く。
喧嘩は前の時に断ったはずなんだが。

『前に喧嘩はお断りとさりげなく断ったんだが?』

鶏頭「そうはいかねえよ”狂桜”さんよ」

その名を出された瞬間、あくまで表情は変えず少し殺気を含んで鶏頭の方を見る。

『何でその名前をお前が知ってるんだ』

鶏頭はニヤリと笑みを浮かべながら語り出す。

鶏頭「喧嘩ってのは殴る蹴るだけじゃねえのさ。本当の喧嘩は相手を知る事から始

まる。知った上で闘い方を決める。あんたともう一人のことを調べるためにわざわ

ざ京都まで行ったんだぜ」

『・・・そらご苦労なこった』

鶏頭「つーわけだからよ、俺と喧嘩してくれ」

『・・・・・・はぁ。しゃーねーな。もう一人はどうせ剣心だろ。だったらものはついで

だし道場まで来いよ。そこで相手してやる』

少しだけ考えてから、喧嘩屋には道場までついてくるよう言った。
こんな町の中じゃ喧嘩は出来ないもといしたくないし、剣心にも喧嘩を売るつもり

ならついでに連れてった方が良い。
あわよくば剣心の方に夢中になってくれないかなとも思っている。
正直面倒だし。
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