るろうに剣心

□2 人斬り抜刀斎(後編)
1ページ/3ページ

薫と流浪人と別れ、ひとまず道場へ戻る。
買い物の時には警察もうるさいので刀は持っていない。
今も持ってきていないので道場へ。
買い物の荷物をぱっと置いて、愛刀を持って目的の場所へ向かう。
今から行っても日が落ちてしまうだろうが何ら問題はない。
道場を飛び出して隣町へまっすぐに向かう。


日は落ち、私は目的地へ到着していた。
ここは鬼兵館。
目的は辻斬り事件の真相を暴く事。
そしてその犯人を倒す事。

少しではあるが、お世話になった薫に少しでも恩返しがしたい。
料理なんかよりこっちの方がよほど性に合っている。
何よりも、困っている人がいるならば助けるのが私の信念だ。

私は入り口に近づく。

?「お主・・・」

後ろから声をかけられる。
振り返ってみればそこに流浪人が立っていた。

『流浪人、もしかしてここに用か』

昼間のことから考えるとここにいるのは、辻斬りの件だろう。

流浪人「あぁ。お主もでござるか?」

『まぁね。一緒に行くか?』

流浪人「いやしかし拙者は・・・」

『・・・おそらくだがお互いに考えていることは同じはずだ。それなら一人より二人の

方が確実だろ。』

半ば強引に一緒に鬼兵館をたずねる事に。

流浪人「たのもー」

『たのもー』

二人でたのもーと言いまくること数回
中からガラの悪いようじを咥えた男が出てきた。

男「あーうっせえ!何だてめえらは!」

さすがにたのもーを連呼しすぎたか、男は少しいらいらしているようだ。
まあ別に何も問題はないけど。

流浪人「ここの頭目――」

男「比留間先生は今留守だ、出直して来な!」

『へえ、比留間って名前なんだな』

流浪人「そうみたいでござるな」

男「知らないで来たのかてめェら」

流浪人「いや拙者はてっきり”辻斬り抜刀斎”という名かと―――」
   『いや、私はてっきり”辻斬り抜刀斎”っていう名前かと―――』

私たちが声をそろえてそう言った瞬間、男はぴく・・・と反応した。

流浪人「薫殿の読みは当たりの様でござるな」

『だな』

ガラッ
扉が開き、後ろから舎弟のようなやつらがぞろぞろと出てくる。

舎弟1「どうしたんスか、西脇さん」

舎弟2「誰っスかそのチビ達」

誰がチビだ・・・。
少なくとも流浪人よりは大きいぞ。

西脇「何、ただのネズミだ。始末しちまいな」

西脇とかいう男はにやりと笑いながら舎弟達に命じる。
こいつらも馬鹿だな。
ざっと二十人。
流浪人の腕は知らないけど、とりあえず十は仕留めてしまえばいいか。
そんなことを考えていると早速一人の男が襲いかかってくる。
それを難なく躱し、肘で一撃入れる。
相手は吹っ飛び、そのままダウン。

『何だこんなものか。これなら刀を使うまでもないな。』

流浪人の方も始まったようだ。
こちらも次から次へと襲いかかってくるやつらをどんどんぶっ飛ばしていく。

あらかた片付き、残るは西脇のみ。
この状況でもひるまず奴は木の棒を持って飛びかかってくる。
流浪人が動く前よりも先に相手に近づき、腕を捻り地面に押しつけ拘束する。

流浪人「見事なものでござるな」

『お褒めにあずかり光栄だね。さ、どうするこれ?』

流浪人「比留間、という男でござったな。その男は今どこだ」

西脇「誰が言うかよ!」

『へえそうか』

言う気がない西脇の腕に入れている力を少しずつ強くしていく。

西脇「いっででででで!」

『これでも言わないか。口で言うのが嫌ならじゃあ案内ならどうだ?』

ミシミシ・・・
これでもかというくらい力を入れ、拒否権がないことを伝える。
西脇はあまりの痛さに声も出せず必死に頷く。

『だってさ流浪人。行こうか』

私たちは西脇の案内のもと比留間のもとへ向かう。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ