ブロークン*ハート

□恋する世界
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ここから話す話は私の生い立ちについてである。




私が自分に違和感を感じたのは5歳の頃。

私は記憶がないのだが、

極寒の冬、私は赤ちゃんポストに入れられていたらしい。



私を産み落とした母親は、

若いため独りで育てられなかったらしい。


私の名前と生年月日を書いた手紙を添えてあったと聞いた。





それからして、


施設で4歳まで育てられた。



そして

ある日、


私を養子にしたいという夫婦が現れた。


その家庭は

大財閥であり、

財力も
人柄も
文句の付けようがないくらい好条件であったため、
すぐに私は引き取られることになった。


その夫婦には私と同い年の息子がいた。


その子の話し相手になることが目的だった。


その子は、義一(ぎいち)

という男の子だった。

整った顔立ち

明るい性格で

いつも周りを笑顔にする優しい子だった

『ギイ』
という愛称で呼ばれていた

ゆくゆくは
大財閥の跡取りになる存在だ。



それでも

両親は差別せず、

ギイと同様に私を大切に育ててくれた。


ギイも私を受け入れ優しく接してくれた




私がギイを好きになるのに
そう時間はかからなかった





ギイはいつも私に言ってくれた




『澪ちゃんは僕が守るから、大きくなったら僕のお嫁さんになって』





そう言ってもらうと、

いつも私は笑顔で頷く


そして


指切りし合った




例え叶わなくても……

ギイの傍に……

いれるなら……

なんだってする…




ギイとの出会いが

私の恋の始まりだった


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