数々学園高等部・徘徊記録
□徘徊No.7:和解と夢の記憶
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おかしい。……やはり色々おかしい。
いつからと問われれば、体育祭時に疲労で倒れた後からだろう。
具体的に何処がおかしいのかと問われれば…返答に戸惑ってしまう。
しかし、確実にそれも他人の目から見ても分かるのではないかと思うぐらいには表れていた。
一例を挙げるとすれば、一佐と劉二だろう。
以前に増して一緒に居る時間が増えたように思う。
自分でしか分からない所では携帯だ。
倒れた翌日、登録されていないアドレスからメールが送られてきた。
文面こそ違えど、中身は送り主の名前と登録宜しくとの事だった。
名前を挙げると、七束君、昂八先輩、九繰先輩(以前教えてくれたのと別アドレスだった)、双方兄弟、百瀬先輩、千貴先輩…占めて七人。
…アドレスが何処から漏れたのか訊きたい所だが、無駄なのが目に見えている。なので、この際追及はしない。
そして、
「来ない…。」
ベッドに寝そべった状態で携帯を眺める。
四祈先輩から毎日のようにメールがきていたのが、パタリと来なくなってしまったのだ。
今日で二週間。変だと感じた俺はメールを送ってみたが、返信はない。
今までの四祈先輩への行動を思い返すが、分からず仕舞いだった。
(かといって、同室の三重先輩に訊く訳にもいかないし…。)
これは俺と四祈先輩の問題だ。
一瞬、部屋へ行こうかとも考えたが、先輩自身が有名で、周りの目もある。それに結局、三重先輩を巻き込んでしまう確率が高くなる。
…というか、そもそも、部屋番号すら知らない…。
…散々悩んだ末、明日の昼休みに初めて出会い、いつでもおいで、と言われたあの森へ向かう事にした。
本当は放課後にしようかと思っていたが、もし生徒会で招集されていたら話し合いも何もできない。
それなら居る確率が高い昼休みに賭けてみようと思う。
居なかったら、翌日また訪ねるまでだ。
(そうと決まれば、明日の為に早く寝るか。)
下のベッドに寝そべる劉二におやすみと告げ、身体を布団にポスッと預けた。
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