番外篇

□ある日の軒上家〜夏休み篇(零:中学二年)
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8月4日―。

7月中に全ての宿題を終えた俺は、キッチンで料理をしていた。

「えーっと、ここで醤油大さじ1、っと。」
「ふわ〜あ…零兄、何作ってるの?」

欠伸をしながら、妹の零霞が声をかけてくる。

「昼食だ。それよりまた徹夜してたのか?」
「うん。」

零霞は寝惚けたような声で返しながら、冷蔵庫に入ったお茶を取り出してコップに入れて飲んだ。

「やれやれ…。あァ、リン兄、そろそろ帰ってくるな。」

その矢先に、

「ただいま!」

元気な声と共に帰ってきた。
同時に、ご飯も炊き上がり、料理もできる。

「おかえり、リン兄。」
「おかえり。昼食ちょうどできたよ。」
「おッ、やった、時間ぴったり!」
「じゃあ、ついでくる。」

キッチンに戻り、3人分の料理をつぎ、テーブルに並べた。

「「「いただきます。」」」

そうして食べ始める。

「やっぱ零の料理は美味いなァ。」
「そう?」
「うん、そこらのお店より断然美味しい。」
「ありがとう。」

等と会話しながら食べ終わり、皿洗いを終えて、リビングでくつろぐ。

「あッ、そうだ、どっか行かない?」
「「…はッ?」」

何の前触れもなくあっさりと言い放ったので、俺と零霞は呆然とする。

「行くにしても何処に行くの?」
「う〜ん、そこらへん?」
「リン兄、何で疑問系?」
「そりゃあ、決まってないから。」
「…あッ、じゃあ買い物行かない?」

言い出しっぺの兄ではなく、零霞が行き先を提案する。

「…あァ、買うモノがあったっけ。」

ふと、色々と消耗したモノがあったのを思い出し、その提案に乗っかる。

「決まり!じゃっ、行こ!」

兄妹3人で仲良く買い物に出かける事になった。


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