残酷物語
□If there is no arm
2ページ/2ページ
チクタクチクタクと時計がなる音が耳にはいってくる。
気がつくと俺は自分の家のベッドに横たわっていた。
時計は…00:00を示していた。
俺は時計を見たあと視線をずらし、そして自分の体を見た。
ちぎれたはずのオレンジのオーバーオールは無傷。えぐれたはずの身も無傷。
全てが無傷に戻っている。
……しかしやはり腕だけは戻らない。
俺が腕が無いのに気づいてからずっと、同じ。
腕だけは変わらず無いままだ。
「……最悪。」
誰に届くことも無い、そっと口にした言葉は暗い部屋にこだました。
こだまがやむと、俺は疲労のためかすぐに眠りについた。