短編集用本棚

□夢の続きを
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ふと寝返りをすると、さっきまでいたはずの温もりがなくなっていた。あいつのことだから夕飯を食べ過ぎて厠にでも行っているんだろう。

こうして家康と枕を共にするのは
いつまで続けられるんだろうか。
ふと、枕元の刀に目を向けると、
あたかもあざけ笑うように月明かりに照らされぼんやり浮かんでいる。


「り…成…三成…」
奴が私を呼んでいるようだ

重い頭を振り払って起き上がると、見慣れた顔が私を覗きこんでいる。そこには当たり前のごとく、家臣が私を少しビクビクしながら正座していた。

「三成様、いかがなされましたか」
「いや、なんでもない」

あれから幾度となく繰り返し見る夢は私を痛め付ける。
いっそ、あのまま夢の続きを見られたら幸せなのだろうか。

枕元の刀を手に私は一歩を踏み出した

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