ツバサ・クロニクル
□阪神共和国2
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あの人の旅の本当の目的は何なんだろう…
ある人から逃げる為って言っていたけど何かそれだけでは無い気がする…
…って何あたしファイさんの事なんか気にしてるんだろう
寝よう…
ゆきは布団の中に入ると疲れていたのかすぐ眠りについた。
―――――――――――――――――――――――――
「ここは…何処?」
辺りを見渡すと暗闇が一面に広がっている。
ピカアァァッ
突然眩い光が暗闇を照らしこちらに近付いてきた。
「…光?…誰?」
光はゆきの前に現れると自身を具現化し蝶の姿に変わった。
「私は光を司るものの主。私に相応しいものを永い間待ち続けておりました。あなたは力が欲しいですか?」
「…欲しい」
「私を宿し力を得、何を欲しますか」
「あたしにはやらくてはならない事があるから…。それに…もう誰一人として傷付けさせたくない。その為にも力が欲しい」
「あなたの心の強さ確かに認めました。ですがあまり思い詰めないで下さい。貴方は一人では無いのですから…」
そう言うと蝶は光となり姿を消した。
――――――――――――――――――――――――――――
「………!?」
ゆきは勢い良く起き上がり辺りを見渡す。
「…夢?…胸が熱い…これってもしかして…」
コンコン
(誰だろう)
ドアを開けるとへにゃんと笑うファイが立っていた。
「ゆきちゃんおはよう〜♪」
「………」
(…何でファイさんがここに?それに昨日あんな事があったのにこの笑顔って…)
「おはようございますファイさん♪」
(まあこの方が周りに怪しまれずに済むから良いか)
「ゆきちゃん…怖い夢でも視た?」
(…あたし顔に出てたかな?本当この人には気を付けないと)
「…蝶」
「え?」
「綺麗な光輝く蝶の夢を見たの。だから全然怖い夢じゃないですよ♪」
「なら良かった〜♪」
「そういえばファイさん何か用事ですか?」
「うん♪これからさくらちゃんの羽を探す為に街を探索しようと思ってるんだけどゆきちゃんも一緒に来てほしいな〜って思って〜♪」
「そうですね、ここでじっとしていても仕方ないし!皆で頑張りましょう〜!」
「…………」
「ファイさん?」
「何でもないよ〜♪皆の事も誘ってくるね〜♪ゆきちゃんは色々準備あると思うからここで待ってて〜♪」
「?ありがとう♪お願いしますファイさん♪」
「は〜いまた後で〜♪」
バタン
(何であたしを最初に誘ったのかな?とりあえず着替えなきゃ)
ゆきはテーブルに置いてある服に手をかける。
「可愛いけどもう少しセクシーなのが良かったな〜」
(……でも嵐さんって意外と色んな服を持っていた事にびっくりしちゃった…人は見掛けに寄らないな〜)
「よし!完璧〜♪」
コンコン
「ゆきちゃん準備出来た〜?」
(わっ…何てタイミングの良さ)
ゆきはドアに近付き扉を開けた。
「ファイさん凄いタイミング〜!今丁度準備終わったところなんですよ♪」
「何となくそろそろかな〜っと思って…」
「……?」
(何かガン見されてるような?)
「ゆきちゃんそのお洋服よく似合ってるね〜♪凄い可愛いよ〜♪」
「あ…ありがとう」
ゆきは少し頬を赤く染め俯いた。
(何であたしこの人には弱いのかな〜…)
「じゃ〜行こっか〜♪」
「はい♪」
(ファイさんおへそが…)
(ゆきちゃん胸元が…)