HQ!!BL

□愛したっていいじゃないか
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岩ちゃんの隣には、いつも俺がいて、これからも、それがずっと続くんだと思っていた。信じてた。疑わなかった。

それなのに、なんで、岩ちゃんの隣に、
















声を上げて泣いたのはいつぶりだろう。かなり前まで遡らないと、思い出せない。でも、その時は岩ちゃんが隣に居てくれた。あぁまた涙出そう。

耳鳴りと、頭痛が酷いな。

重いからだを引きずって洗面所の前に立つ。

くまが濃い。ちょっとこんな顔は、岩ちゃんに見せられない。

きっと優しい岩ちゃんは心配しちゃうだろう。

一番でもない俺に、岩ちゃんは優しすぎるから、きっと本気で心配しちゃうから。

顔を洗って、無理矢理に作った笑顔。すごく不恰好。練習しよう、笑い方。あれ?いつもどうやって笑ってたっけ。

ご飯食べないと力が出ない。でも今食べたら吐きそう。吐いたりしたら大変だから、食べるの諦めよう。着替える。

制服ちゃんと着こなして、そうすれば少しはマシに見えるから。

悟られてはいけない。岩ちゃんに、心配かけちゃいけない。

カバンが妙に重くて、シューズなんか鉛みたいだった。

あ、そうだ。忘れるところだった。


「岩ちゃんへ、今日は、一人で、行くから。」

彼女と一緒に登校したら?って打とうと思ったのに、手が震えて無理だった。こんなメールじゃ不自然かな。でも、これ以上岩ちゃんのこと考えると吐きそう。岩ちゃんを想うのが気持ち悪いなんて、俺なんて死ねばいいのに。

あぁでもほんと、込み上げてくる吐き気をどうしよう。

せめて涙じゃなくて良かった、とか思えばいいのかな。

靴を履いて、玄関を出る。行きたくない、ってぐずる脳が、締め付けるようにぎりりと痛んだ。

いってきますって言うのを忘れた。
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