HQ!!BL
□独りんぼジェラシー
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実はね、トビオちゃんが独りの王様になるよう仕向けたのは俺。
俺が飛雄を独りにしたんだ。
言い訳なんてしないよ。
岩ちゃんそんなに怖い顔しないで。
泣きそうになっちゃうでしょ。
俺さぁ、寂しかったんだ。
飛雄なんていう天才がいれば、俺なんて要らなくなっちゃうデショ?
俺みたいな凡才は、みんなに必要とされなくなっちゃう。
寂しいんだよ。
俺はいつまでも、バレーがしたかった。
セッターとしてやっていたかった。
及川徹を、影山飛雄の影で、塗りつぶしてほしくなかった。
……うん、分かってるよ。それがチームのためじゃない、誰のためでもない、ただの俺の我が儘だって。エゴだって。
そのせいで飛雄が傷ついたのも知ってる。
岩ちゃん、そんな怒らないで。
俺さぁ、どうしても寂しかったんだ。
飛雄が……うん、天才が憎かったんだ。
ごめんね岩ちゃん、泣いちゃって。
……ふふ、岩ちゃんはやっぱり優しいよね。
ねぇ俺は必要ないでしょ。
そうでしょ岩ちゃん。
俺には才能が無い。そんな俺は必要ない。
最近は、そんな思考にどろどろと溺れているの。
代わりは、いくらでもいて。
そんなことないって、そう言ってくれて嬉しいんだけど、事実その通りなんだよ。
変な同情しないでね。
俺は必要ないって、それは分かってる。
しかもそれで飛雄を妬んで、傷つけるような奴だよ。
…………時々さ、夢を見ることがあるよ。
俺が天才になる夢。
その時飛雄は凡才になってて。
とても素敵な夢なんだ。
必要なのは「俺」で、飛雄なんて必要じゃないの。でも目が覚めて現実に気付くと、全部が悪夢みたいなんだ。
だからやっぱり俺は……。
あれ?
岩ちゃん、聞いてるの?
……まぁいいや。
それで現実で飛雄を見たらさ、独りじゃない、烏野の飛雄ちゃんを、見つけちゃったらさ。
のびのびと楽しそうにバレーしちゃって。
しかも飛雄を必要とする相棒までできちゃって。
羨ましいし、妬ましいし、憎らしくもある。
でもそんな俺の気持ちなんか知らないで、飛雄は俺を強いと思っててさ。
なんだろうね、本当に嫌い。
やっぱり俺は必要じゃないよ。
飛雄みたいに必要とされてないんだ 。
ね、助けて。
俺を必要として。
俺を見つけて。
誰か、
誰か、
とび、お