Eyes On Me

□その7
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千景様たちは 朝餉のあとすぐに外出していった。

外出を見送る時

「不便な思いをさせて申し訳ないですが、くれぐれも外出はお控えください。」

天霧さんに念を押された。きっと本当に危ない状況なんだろう…。

「それと おそらく数日 私たちは屋敷に帰って来れないでしょう。
その間 不知火にここの留守を任せました。何かあったら彼を頼ってください。」

不知火さんが暫くこの屋敷にとどまるのか…。
用心棒みたいなものかな

「…名前…火急の際は不知火を頼っていいが、不必要に近づくな。」

千景様に注意された。千景様は…あまり不知火さんが好きでないのだろうか?

よくわからないけど 千景様の機嫌を損ねるわけにはいかない。

「はい わかりました」

と返すと 彼は満足げな顔で

「なるべくは早く戻る。」と言って出かけて行った。


____昼前になって不知火さんが起きた。

あいさつを交わすのは 不必要な接触じゃないし、これからお世話になるのだから。と軽く会話を交わしたりして 時間を過ごす。

そして その日から数日 千景様たちは本当に戻ってこなかった。

私はその期間 屋敷の中で退屈な 穏やかな時を過ごしていた。

外では 日本史上に残る 池田屋事件が起こっていたなんて 知るわけもない。

もちろん 千景様と新選組が…そして千景様と千鶴ちゃんが真正面から 出会っていた  なんて もっと知るわけがないのだ。
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