Eyes On Me
□その8
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今日も 日差しが暑い…。洗濯日和だけど。
千景様たちはまだ帰ってこないのかな…。
屋敷にずっとこもりきり。
家事などさせられないと言う 天霧さんもいないし、手持無沙汰な私は 料理や洗濯 掃除などをして日を送っていた。
千景様と天霧さんがいないとこんな寂しい。
一さんや千鶴ちゃんにも…会いたいな
「よぉ 名前」
「不知火さん!」
不知火さんが外出から帰ってきた。
千景様には「近づくな」なんて言われたけど 今は貴重な話相手でもある。不必要な会話じゃないし…いいよね
不知火さんの顔はいつもより真面目で…
「風間たちが新選組って奴らと斬り合いになったらしい。」
「えっ___!」
千景様たちと 一さんたちが…
元々敵だったのだから、いつかは起こるかもしれないと思っていたけど…。
「安心しろよ。風間たちは無事だ。」
ほっと息をつく。でも…一さんは…大丈夫だったのかな……。ううん きっと無事。一さんは強いもの。
「それと、雪村家の女鬼が見つかったらしいぜ」
「ゆきむら・・・?」
ゆきむら 千鶴ちゃん???女鬼って…千鶴ちゃんが!?
「あぁ、そっかお前鬼に詳しくないもんな。雪村家は東の鬼の頭領で…」
不知火さんが丁寧に説明してくれたことによると…
雪村家は風間家に匹敵する鬼の名家で、人間に滅ぼされていたと思われていたが 純血の生き残りが見つかったとのこと。
その名前が 雪村千鶴。
ゆきむら に聞き覚えがあったのは 鬼のお偉いさんだったから。
だけど…千鶴ちゃんが…鬼だったなんて…
最初に感じた違和感は同胞の匂いだったのかもしれない。