Eyes On Me

□その6
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一さん 千鶴ちゃんと一緒に一日過ごして
屋敷に戻ると、私を出迎えたのは 予想外な人物

「千景様!?」

「…」

今日は遅くなると言っていたはずの千景様が どうして…?

遊びの用事で 主よりも後に帰ってきてしまった… それも薩摩藩とは敵対する新選組の人と…。

千景様の目はいつも通り鋭い。咎められたら 何と答えよう…

「あの…友人と会っていました。」

遅くなってごめんなさい

と先手を切って謝る。 

「ほう…。友人の名は?」

なんで千景様は友人の名前が気になるのだろう? 

千景様に嘘はつけない…だから

「千鶴ちゃんって言います」

せめて一さんの名前だけは伏せる。

「……千鶴…?」

千景様が何かを考え込むような表情を浮かべる

(…鬼の…千鶴…どこかでそんな名前を…まさか…!)

「おい 名前!そいつの苗字はっ「風間ァ〜!」


千景様が私の両肩をつかみ 鬼気迫る勢いで問いただそうとしたが、それは今まで聞いたこともない声でさえぎられる。

「ちっ…不知火か」

声の方向を見れば 奥の部屋から青い髪の男が近づいてくる。不知火さん というらしい

「客をほおっておいて いつまでもんな玄関にいるんじゃねぇよ」

「お前は客ではない」

「おいおい…今日は長州の使いも兼ねてるんだぜ?ってなんだぁ?説教でもしてるのか?そんなの後にして 長州の地酒でも開けようぜ」

不知火さんは酒瓶をちらつかせる。お土産のようだ。

「ほら、お前も一緒に。」

不知火さんは私のことも誘ってくれた。

千景様は チッと舌打ちをし

「不知火。俺の許可なく名前に近づくな。肴を用意させる。さっさと部屋に戻れ。」

不知火さんは へいへい と軽く返事をして奥に戻る。途中千景様に「独占欲の強いことで」と嫌味っぽく呟き 千景様は不知火さんをキッと睨みつけた。
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