longstory
□第1章宣戦布告『クロロ=ルシルフル』
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ホールでの一件の後、私は1人で
とある場所に向かった。
廊下をずんずんと突き進んで行く。
すれ違う度にヒソヒソと話し出す生徒達など構いもせずに、ただとある場所へと向かっていった。
廊下の奥の奥
更に奥には
今は誰にも使われていない非常階段があった。
その扉を勢いよく開け
大きく息を吸い込み
ゆっくり吐く
「あのF4のリーダー……絶対に変なのだよ……」
こういう出来事が起こる度に、私はここに来ては落ち着かせていた。
小さな頃から、正義感だけはだれにも負けなかった。
昔からの親友がよくイジメられていた。私はよくその親友を守っていた。
蹴りを入れられたら蹴りで返してやり、殴られたら殴り返してやった。
だから、……本来の私なら…こんなこと……許せるはずがないのだ…
「‥‥‥よし!!」
‥‥‥もしも、ネオンが‥‥‥赤札を貼られるようなことがあったら‥‥‥
「私が守らなければ‥‥‥」
そんなことを考え、呟き、私は非常階段を出た。
‥‥‥‥‥‥‥‥階段の下で寝ていたクロロの存在に気付かずに‥‥
「クラピカ!もう‥‥どこ行っちゃったのか心配したんだよ?!」
「すまない、ネオン」
「んーもう!!あ、それより聞いてよ!!さっきの騒動の時にね!4人の中から途中、1人どっか行っちゃったの目撃しちゃったんだけど‥‥‥」
「1人?」
「う、うん。キルア様がアモリを殴るの見た途端に表情1つ変えないでそのまま出て行ったの」
‥‥‥あのF4の中で‥‥‥
それがクロロだと、私は知らなかった。
‥‥‥‥私のいた階段の下で寝ていたクロロだと
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俺は退屈をしている。
「………随分派手にやたネ…」
番傘を持った黒髪、フェイタンが言葉を発した。
「ほんと、幼馴染ながらもゾクッてきたよ」
金髪の少年、シャルナークはくすくすと笑う。
「………居たんなら返事くらいしろよ。シャル、フェイ」
俺は振り替えりもせずにそう告げる。
それに続けて、俺は声が聞こえるわけでもない名前を呼ぶ。
「………どうせお前もそこにいるんだろ?………クロロ」
そう言うとドアを開けた音が響き、声が聞こえる。
「………よくわかったね、キルア」
少し笑いを含んだ声が聞こえた。
「…………何か俺に言いたいことでもあんのか?」
「………いや?別にないけど?」
「………そうか」
「………もしかして、ホールでの出来事の時のこと……若干怒ってる?」
クロロは苦笑をしながらそう聞いた。
「………別に。そんなのお前の自由だからな。どーせ、俺のやり方がきに食わなかったんだろ」
「ご名答」
「……」
「そういえばさ、キルア。この学園にいる唯一の庶民の話………知ってる?」
お茶を濁すようにシャルが話した。
「…………この学園にいる…唯一の庶民?…」