longstory
□第1章 宣戦布告『F4のリーダー』
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あれから、私はネオンと一緒にいることが多くなった。
ネオンはやはりこの学校に来ただけあって、結構なお嬢様だったが、
他と違って貧乏人だからと態度を変えるような真似は決してしない。
だから、私もネオンと親友になれたと思った。
しかし、やっと楽しくなってきたという学校生活に水をさすような出来事が起きた。
「…大変だあああ!!3年c組のアモリが、赤札貼られたぞおおおおお!!!」
……しばらく、このような事が起きずにいたため、少し油断していた。
まただ…
《赤札》
クラス全員が飛び出していった。
「…あれ?、なんでみんな出ていっちゃったの?…ねぇ、クラピカは行かなくていいの?」
そういえば、ネオンはここに来てから赤札の存在をまだ見ていない。
……きっと、学園のこの風景を見たら、学園に来たことを後悔するであろう出来事を…
私もネオンを連れてみんなの後をおった。
…ちょうど、これから。
『アレ』がはじまるようだ。
「 …きっ、…キルア様……お…願…いしま…す……ゆ、…ゆる…してください 」
赤札を貼られたであろう人が椅子に座って傍観している年下の少年へと許しを請っていた。
「キルア様、こいつどうしますか?」
赤札を貼られた人の前髪を、椅子の上の少年にそいつの顔が見えるようにと引っ張りあげている一人の生徒。
「………そうだな…」
「キルア様!!このイモリとか言う奴はアモリの兄弟だそうです!!」
また生徒が男を引っ張って少年の前には2人の生徒が並んだ。
「へー、…面白いじゃん…」
少年が黒い笑みを浮かべる。
「おい。そこのあんた。」
「は、はい!」
「アモリを殴れ。」
その瞬間。会場は大盛り上がり。
「え?え??」
「さすがキルア様!!!」
「素晴らしい命令です!!」
対するアモリとイモリは同時に顔を見合わせる。
「え、……兄ちゃんを…?」
「……」
少年は何も言わない。
「に、兄ちゃん、どうしよう!?俺、兄ちゃんを殴れって言われた!!」
少年はただ笑みを浮かべるだけ。
「イモリ…俺を殴れ。」
「え、……で、でも兄ちゃ……」
「いいから殴れ!!」
そのやりとりを見ていた少年が急に立ち上がり、兄弟の前に立った。
「……なにしてんの?」
「…え…あの…その…」
そして、その兄弟にまとめて蹴りをいれる。
その瞬間、女生徒の歓喜の声が響き渡る。
この少年は一年生ではあるが、その容姿はとても美しく、とても人気がある……らしい。
「…おい」
「は、はい!!」
「こいつらまとめてどうするかはあんたらに任せる。俺帰るから」
兄弟を連れてきた1人の生徒にそう言うと、少年はそのままこのホールを出ていった。
「……なに……いまの…」
ネオンは呆気に取られている。
それもそうだ。初見の人が皆、こうなるというのもおかしくはない。
これがF4のリーダー、キルア。
だから……
私はこの学園が大嫌いなのだ。