longstory
□プロローグ
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花男パロ キルクラ
「…きっ、…キルア様……お…願…いしま…す……や、…やめてください」
今日もまた俺の元へとボロボロな生徒が来る。
「バーカ!キルア様がお前なんかの話なんて聞くものか!!」
そして、ボロボロな生徒は更にボロボロになっていく。
「キ…ルア様…キル…ア様…」
「しつけーんだよ!」
ボロボロな生徒を更に蹴りを加えるもう一人の生徒
それをいつもどおりに椅子の上からつまらなさそうに眺める。
「キルア様、どーしますか?」
すべてが全て、つまらない。
「アンタに任せる」
俺の一言で、この生徒らは喜んだ。
そして、ボロボロな生徒を更にボロボロにしていく。
これが俺の日常茶飯事。
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「あら、そのバッグ素敵ですこと…」
「フフッ、流石ですのね。お目が高いですわ。このバックのブランド、おフランスにしか売っていない限定モノですのよ。この前にバッグを買うためだけに行ってきましたの。」
………フランス?!
………ブランド?!
たかがバッグで………フランスまで?!
「……ありえないのだよ………」
この生粋のお嬢様、お坊ちゃまが通うハンター学園の………唯一の庶民、それが私だ。
「ねぇ、ご覧になって、あの方、この学園で唯一の庶民のクラピカ様じゃなくって?」
「本当だわ。よくもまぁ、今までこの学園に庶民が通えたものね」
クスクスという笑い声と共に浴びせられる庶民という言葉を使った嫌味。
そんなものは当の昔に慣れてしまった。
普通に、穏やかに、平穏に、この学園を卒業することが今の私の目標。
両親は私に玉の輿を狙って欲しいようだが、正直言って、そんなことどうでもいいと思う………というよりも
私はここの学園の生徒が皆大っ嫌いだ。
この学園には、学園の人にしか知らないことがある。
ここの学園には、一般的に花の四人組(flower 4)と呼ばれる存在がいる。
見た目も、家柄も人より何倍も優れていて、学園でも特別な扱いを受けている。
人々は彼らをF4と呼ぶ。
リーダー
1年a組
キルア=ゾルディック
メンバー
3年a組
クロロ=ルシルフル
同じく
3年a組
シャルナーク
2年d組
フェイタン
以上のこの四人がF4のメンバー
そして、この学園には、もう一つ、生徒にしか知らないものがある。
それは………
「…大変だあああ!!3年a組のポックルが、赤札貼られたぞおおおおお!!!」
《赤札》
それはF4による宣戦布告の印。
これを貼られたものは、全校生徒からの卑劣ないじめを受けることになる。
ここまでが私の知っているF4についての全て。
そもそもF4というのは今年からできた組織で、リーダーも1年生であることからもとても不思議な組織だ。
私の知っていることはこの学園の生徒みんなが知っていること。
それ以上は知ってはいけない。知る必要もない。
目立たないように、大人しく、地味に、これからもずっと………卒業までの辛抱だ、そう思えばこの学園でだってやっていけるだろう。
そうやって、これからも暮らして行くのだ。