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□休日の朝
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キルクラ
時刻は朝の7:00をまわっていた。
俺は布団の中でうとうとしながら、うずくまっていた。
布団の中はとても温かい。
残りの時間を布団の中で過ごしてしまおうか。なんて馬鹿げたことを考えていたとき、声が聞こえてきた。
「おいっ!キルアっ、朝だぞ、起きるのだよっ!」
布団をはがされたので、仕方なく起き上がり、ポツリと一言。
「…今日土曜日なんだけど……」
クラピカは少し考えたあと、ハッとした顔で言う。なにその考えてる顔、可愛いんだけど。
「……すまない、いつもの癖で…」
ふと耳をすませてみる。
ゴンの声も、レオリオの声も聞こえてこない。
クラピカはいつも早起きだ。
朝の4:30に起きて、朝食の用意やら掃除やらなにやらをやっている様子。
「ほ、ほんとにすまない……」
クラピカは申し訳なさそうに俺に布団を渡した。
なにこれ、可愛過ぎるんですけど。
もう、朝ごはんに頂いてもいいですか?
「……俺、もうちょっと寝ててもいい?」
布団に潜り込みながらクラピカの腕でを引っ張って布団の中に連れ込む。
「………クラピカとっ!」
にこりとほほえみながらそう言うと、クラピカは顔を真っ赤にして驚いている。
「あ、照れてるクラピカかーわいいー」なんて言ったら殴られるかもしんねーから言わないけど、いつものその白い肌が赤く染まるときはほんとに、赤い果実みたいで可愛い。
朝からこんな感じの俺らがドアの隙間から見ている二人の視線に気づくのは、後の話。
「キルアとクラピカって朝から仲良しなんだね」
「「?!」」
「コラッ!ゴンっ!!」