暗殺GIRL&暗殺BOY

□暗殺GIRL&暗殺BOY
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時は高2の5月。

私はいつも通り授業をサボって屋上に来ている。

(…眠い…。)

今の時間は…体育か。

屋上から外を見ていると
クラスメイトがグラウンドで体育をしている。

(女子はドッジで男子はサッカーか。)

『あ、明も頑張ってんじゃん』

明とは私の友人だ。

普段ならあまり興味がないので目もくれないがなぜか今日は少し見ている気分だった…。

そんな中…

「錐乃―!任せた!」

「ああ!!」


一人の男子がシュートを決めた

あまりにも爽やかな笑顔で決めたものだからドッジをしていた女子もキャー!と叫んでいる。

『確か…錐乃…暁だったかな』

クラス替えをしてまだはっきりとは覚えてないが
彼は有名だから私の耳まで噂がよく届く

優しくて常に爽やか笑顔をしていてイケメンらしい。世に言う王子だな。

この前なんか車に引かれそうになった子猫を助けたとか…

本当…尊敬するね(笑)


『さて、一眠りするか…』

私は女子の黄色い歓声をBGMに聴きながら眠るのであった。


―――――――――――
キーンコーン
カーンコーン

昼休み…。

私は特に食欲もなかったからそのまま屋上のタンクの上に横になっていることにした。

昼休みが始まって
10分程した頃…

ガチャ

屋上のドアが開き誰かが入ってくる音聞こえた。

(足音からして2人か?一人は男子もう一人は女子か)

何故分かるのかって?

裏世界で働いていれば自然と身に付くさ。


「…あ、あの!錐乃君!!」

一人の女子が恥ずかしそうに話しかける。

(ん?錐乃って確か…)

起き上がって除いてみると…
(ああ、王子じゃん)

「…話って何かな??」

錐乃が彼女に聞き返す。


「わ…私、錐乃君の事が好きなの!!」

(ワーオ…告白現場だ)


生では初でみたよ!!
「……。」


「良かったら私と…付き合って下さい!!」

(お―!!よく言った女子!)

「……。」

「…錐乃君?」

「ありがとう、気持ちは嬉しい。だけどゴメン、付き合う事はできない」

きっぱりと
言い切った錐乃。

その瞳は嬉しさと少しの罪悪感…そして……。


(いや、これは違うだろ、彼の瞳から一瞬、殺意、殺気?…が感じられたなんて)

「そ…っか。ゴメンね急に。」

「ううん、ありがとう」

「じゃあ私…戻るね」

ダッ…

錐乃の横をすり抜けて
泣くのをこらえて走って行く彼女。

(……寝よ。)

もう一度寝よう、
そう思った時だった

「…本当に…。どの女も本当バカみてぇだな。少し優しくしたらすぐこれだ…ハハッ…」

(…!!?)

なっ…え…錐乃!?

お前…そんなキャラだったのかよ!?

今の彼の顔は普段とは全く違うものだった。

不適に意地の悪い
笑みを浮かべ、おかしそうに笑っている。

その笑みは何故が恐怖さえも感じさせられる顔だった…。

私は思わず
『…マジかよ。』

って…あ、しまった…と思った時は時既に遅く錐乃は此方に気づいてしまっていた。
 

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