Short(log)

□理想を目指してみる
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ザーザーと雨の音が鳴り響く中、私は本当に露伴兄に説教された、勿論、露伴兄はバニラアイスを食べている


「ふぅ…………で、ナマエ、少しは反省したか?」

「……」

「返事をしろ」

「……はい」


アイスを食べ終わり、スプーンをくわえながら露伴兄は説教を終わらせた

そして、露伴兄はゆっくりと立ち上がった、直後私は思わず後ずさりをする

今の露伴兄の目は、あのスタンドを出す時の目だ……私にはスタンドは見えないけど何となく分かる


「……なんなら、"東方仗助に近付けない"と、書いてやろうか?」


ゆっくりと顎に手を添えてそう言った露伴兄に、私は高速で首を横に振る


「露伴兄!!それだけは!!それだけは!!」

「……ナマエ、僕は少し傷付いたんだぞ、なんでも僕はあのクソッタレ仗助やアホの億泰、さらには康一君にまで負けたとか……僕が兄じゃあ不満かい?」

「そ……そんな事は……」

「………………」


どうやら露伴兄は全て知っている様で、私が仗助と億泰に言った事を返してきた

目を逸らすが露伴兄の鋭い視線を感じ、冷や汗が溢れ出る


「ナマエ」


露伴兄に睨まれて少し経った時、突如露伴兄は私の名前を呼んだ


「な……なに?」


警戒しながらゆっくりと振り向くと、露伴兄は私の頭に手を置いた

あの不思議な能力を使うのかと思い思わず目を強く瞑ると


「安心しろ、ヘブンズ・ドアーは使わない」


と、さっきとは逆の優しい声色で言ってきた、それを聞いてゆっくりと目を開ける

目の前には私と同じ、青っぽい緑色をした目が微かに揺れて、少し悲しい顔をしている露伴兄が見えた

普段の傲慢な態度とは大違いの露伴兄の表情に驚いていると


「僕は少し傷付いた」


と、言いながら露伴兄は私の頬を指で摘んだ、何をするのかと思ったら、ニョーーンッと横に伸ばした

痛みで思わず涙目になっていると、露伴兄は少し笑いながら指を離した


「なにすんの!!」

「ナマエの馬鹿みたいな顔見たら創作意欲が湧いたよ」

「意味わかんないんだけど!?」

「丁度馬鹿を登場させようと思っていたんだよ」

「…………複雑」


私達はそう言い合うと、少しの間笑った、なんだか今までのやり取りが面白かったのだ

そして、笑い終わると露伴兄は部屋に向かって歩いた、それを見ながら私は少し熱い頬をさする


「……少しは優しく接してやるよ」

「うん?なんか言った?」

「……なんでもない、マヌケた顔をするなと言ったんだ」

「…………傷付く……」


部屋のドアノブに手をかけながら露伴兄は何かを呟いた、あまりに小さい声で聞こえなくて聞き返したが罵倒が飛んできた

露伴兄の言葉にそう返してソファに横になると露伴兄は部屋に入っていった

その日から露伴兄はなんだか少し優しくなった、が、私が少し気持ち悪いと言ったら何故か前より傲慢になった


「……本当、なんなんだろ露伴兄」

「お前も岸辺露伴も苦労しているんだな」

「えー?露伴兄は苦労してないでしょ、仗助」

「なんとなくだよ、なんとなく」


その事で少し仗助に相談をしたがまた前のように露伴兄に見付かり、私は危うく本当に不思議な能力で仗助に近付けなくされるところだった
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