Short(log)
□名前を呼んで
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新しい商談が来てから忙しい快援隊
それはワシも同じで、寝る暇さえない、そんな大変な時期に携帯に電話がかかってきた
「もしもし?」
ディスプレイも見ずに電話に出ると、聞きなれた声が聞こえた
「もっさん、ごめんね、忙しいのに」
「ナマエ?」
携帯なんて持っていないナマエからの電話だった
「悪いのォ…今少し立て込んでての……また後でかけ直してくれるか?」
申し訳なく思ったが、こちらも仕事でやってるので、そう言うとナマエは
「そうだよね……ごめん……」
と、悲しそうな返事をした
「ナマエ……?おんし……」
名前を呼んだがそのまま電話が切れてしまった
「……?」
何かあるのかと疑問に思ったが、部下に呼ばれそんな考えはどこかに行ってしまった
その日の夜、まだ書類を整えているとまた電話がかかってきた
またか、と思い出てみると
「もしも……」
「辰馬ァァァテメェ今何処だ!?」
「銀時?」
いきなり銀時の声がした、声色から緊急事態だということは理解できた
「どうしたんじゃ!?そんなに切羽詰って……」
「お前知らねぇのかよ!!ナマエがやべぇんだよ!!早くこっちこい!!」
「……な……」
銀時の口から思いがけない言葉が聞こえた
ナマエが危険
つまり、病が……
「ッ!!」
ワシは慌てて操縦室に行き、舵を地球に向けた、幸いここは地球に近い方の宇宙、急いでいけば間に合う……!!
ナマエ……!!
陸奥や部下になにか言われたが、ワシの頭の中はナマエの事でいっぱいだった
舵を握り締め、今日の事を思い出す
もしかすると、あの時から危険な状態だったのかもしれない……
そう思うと胸が締め付けられる気持ちになった
「間に合ってくれよ……ッ!!」
そう呟き、地球に向けてスピードを上げた