Short(log)
□その目で
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※かなり病んでます
(銀時視点)
何をしていても、ジャンプを読んでいても、依頼をやっても、頭に浮かぶのは、ナマエの事ばかり
大好きなんだ
ナマエの笑った顔、泣いてる顔、怒った顔、呆れてる顔、俺を見て名前を呼んでくれる時の顔、全部が
「銀さん、ちょっと買い物に行ってくるよ」
「あぁ?なんか買うもんあったか?」
嫌だナマエが離れていくのが
行かせたくなくてそう言うと、ナマエはヘラヘラ笑いながら
「食後のおやつ」
と、言った、そして、ナマエはそのまま俺を見ないで万事屋を出ていった
最後の態度は気に食わない…俺を見てよ
そんなことを思いながら、玄関でつっ立ってる俺を見て、神楽が膝カックンをやってきた
「うおあ!?」
イキナリの事でバランスを崩した俺に、神楽は
「そんなにナマエが心配なら追いかければいいアル」
と、言い何も言わずにリビングに入っていった
「……へいへい」
俺は頭を掻きながらそう答え、ナマエを追いかけに行った
もう俺の頭はナマエの事でいっぱいだ
ナマエナマエナマエナマエナマエ……
ナマエの名前を頭の中で思い浮かべるだけで、俺は満たされていた
好き好き好き好き好き……ナマエが好き
同時に脳内でその言葉が駆け巡り、危うく声に出しそうになる
狂ってると言う奴も居ると思うが、俺はそうは思わない
これが俺の愛の形なんだから
愛しい人を抱き寄せるのを愛と言う奴がいるなら俺は愛しい人の周りの人間を殺してまで自分の物にするのを愛と言う
それと同じだ
そう思いながら走っていると、目の前に見慣れた後ろ姿を見付けた
ナマエだ
「ナマエ……」
名前を呼ぶと、ナマエは振り返り、俺を見て目を見開いた
俺がいる事に驚いているのだろう
「銀さん……?なんでここに?」
「ナマエを追いかけたかったから……」
「……なにそれ」
適当な答えをするとナマエは呆れたようにため息をついた
そして、しばらくしてナマエと一緒に買い物に行った
俺はずっとナマエから目を離さずに眺めていた
ナマエがずっと俺の物でいたらいいのに…ナマエは誰にも見せたくない、例え新八でも神楽でも…ずっと俺だけを見ていたらいいのに
そう思いながらも買い物は終わり、スーパーを出た
「すっかり暗くなっちゃったね」
「だな……」
閉じ込めておきたいのに、そんな事をすると嫌われてしまそうで
そんな理性との戦いをしていた
「銀さん、どうしたの?さっきからボーッとして」
ナマエはそう言い、急に俺の顔を覗き込んできた
急に近くなる顔を見て、理性が飛びそうになる
その顔をほかの誰にも見せたくない、その声も、目も、髪も…全部俺のものに…
またその考えが出てきた、ずっと抑えていた思いが溢れ出して
「ナマエ……」
小さく名前を呟き、俺は木刀に触れた
「なに?銀さん」
聞こえていたらしく、振り返るナマエ
こっちを見た瞬間、俺は木刀を振りかぶった
幸い、周りには人がいなかった
ナマエは小さく呻き、買い物袋を落としながら倒れた
そして俺は、ナマエを抱き上げて前から目をつけていた人が全く入らない廃墟に向った
廃墟にナマエを閉じ込めて、俺だけの物にするために
「あぁ、楽しみだなぁ…お前もそう思わないか?ナマエ…これからずっと一緒なんだぞ?……その目は俺だけを見てればいいんだ、その目で俺を見てよ…」
そう呟いた俺の声は誰もいない廃墟に消えていった