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□銀時誕記念
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十月十日、この日は私にとっての大切な日

スーパーの特売がもっと安くなる日?そんなもんじゃない

私の大切な……私が好きな人の誕生日だ

坂田銀時、一見グータラで絶対に結婚したくない人1のクセに、魂だけはかっこいい男…

そんな奴に、私は惚れてしまった……あんなグータラの何処がいいのか……頭では分かっているのに、好きになってしまったんだ…それは仕方無い

そして、今日…柄にもなくプレゼントを渡そうと思っている


「……行くぞ……」


まるで、戦場にでも行くように呟くと、私は万事屋のインターホンを押した


ピンポーン……


私の気持ちとは裏腹に、気の抜けた音が鳴り響いた

ふざけて万事屋に行くとはワケが違う、本気なのだ……私は


「はいはーい…あれ?ナマエ?」

「か……神楽……」


出てきたのは、私の友達の神楽だった

そして、私が手に持ってるのを見ると、ニヤリ……と嫌な笑みを浮かべた


「ナマエも柄にもないことするアルなァ?」

「う……うるさいよ!!……分かっているんでしょ…ぎ…銀さんは?」


多分、私は今顔が赤いだろう…それを隠すように手を顔の前で高速で振りながら言った

すると、神楽は少し残念そうな顔をして


「残念ながら、今は居ないアル、ついさっきパチンコで銀玉だの金●だの打ってるヨ」

「神楽…女の子がそんなこと言ってはいけません……って、パチンコ!?」

「あー…なんかごめんアル……そうだヨ、入れ違いになったアルな…」


その言葉を聞いて、私は神楽に礼を言って万事屋の階段を降りた

間に合うかな……

少し心配になりながら、私はよく銀さんが行くパチンコ屋に向かった



「あー、あのいつもの銀髪の兄ちゃんねぇ……今日は当たんなかったみたいですぐ出ていったよー…たしか…チョコレートパフェ食べるとか言ってたな……」

「……そうですか…ありがとうございます」

「ところでネェちゃん、どうだい打ってかないかい?」

「私は人の金●を打つほど、鬼畜ではありません、どっちかって言うと粗末な棒を折ります」

「違うよォォォ!?なにこの子!!すんごいえげつない事言うよ!!!?」


パチンコ屋のオヤジにそう言い放ち、私は甘味処に向かった

プレゼント一個渡すのに、こんなにかかるなんて……

なんでもっと早くパチンコ屋に着かなかったの……私のバカ……

そう自分を責めながら、私は走った




「あー、あの人ねぇ…もういないよ、少し前に店を出てったよ…たしか……そろそろ帰るとか言ってたな…」

「…………あー、そうですか……ハハッ……あざーす」

「……なんか、態度すごいね……大丈夫?」


大丈夫なわけあるか、どれだけ走ればあの銀髪のもじゃもじゃにプレゼントを渡せるんだ……

気持ちと比例し、重くなった足を引きずりながら、私は店を出た

向かうところは万事屋……じゃない

もう、やめた……渡せるはずがないんだ……私なんて……銀さんに追い付けない私なんて……

そう思いながら、私は江戸の街を歩いた
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