Short(log)

□思い出
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「…銀時…お前、ナマエに変な事言っただろ」

「…ヅラァ……お前がここに来るなんざ、珍しい事もあるもんだな」


銀時とそう言い合うのは、墓場だ

銀時の前にはナマエの墓

あれから、いつの間にか寝てしまった俺はエリザベスに起こされた

刀を慌ててみたが、本当にナマエが持ち帰ったように無かった

だから、俺はナマエの墓に来る事にした

一度も来なかった、ナマエの墓に……


「ヅラじゃない、桂だ……本当は来たくなかったがな……ナマエに言う事があったのでここに来た……」

「あ?言う事?」

「あぁ……昨晩ナマエがお前に変な事を言われて俺の所に来た」


真面目な顔でそう言うと、銀時は少し引きながら俺を見ていた

そんな銀時を無視して、ナマエの墓に近付いた

……認めたくなかった、来たくなかったのは、ナマエが死んだ事を認めたくなかったからだ


「銀時、お前ナマエに俺が悲しんでるって言っただろ?」

「……さぁな」


ナマエの墓の前で手を合わせながら、銀時に言った


「……そうしたらナマエは刀を持ち帰ってしまった」

「ヅラ……お前本当に大丈夫か?」


銀時はめちゃくちゃ引きながら言ってきた

以外に腹立つな、コイツ


「ヅラじゃない、桂だ…大丈夫だ……俺もしっかり前を向いて歩む事にした」


そう言い、銀時の横を通り過ぎながら墓場を後にする

銀時は俺の後ろで少し笑いながら


「それを聞いて安心したぜ」


と、言ってきた

その言葉に少し笑いながら、俺は新しい仲間が待つところに向かった

ナマエ、お前に言われた通り俺は、前を向いて歩む事にした

だから……また暇だったら来てくれよ

そう思いながら、歩いた
前へ  

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