Short(log)

□言えなかった
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※トリップ要素を含みます!!
苦手な方はバックを!!




なんの前触れも無く、急に空から降ってきた君

服装も、口調も、すべてが違っていた

俺はそんな君を斬ろうとして毎日、目を光らせていた


「……早く帰りたい……」


その言葉を聞くまでは

夜中、寝てるだろうと思い、忍び寄って斬ろうとしたら、これだ

……早く帰りたい?やっぱり間者か……

そう思ったが、手元を良く見ると、見た事の無い箱の様な物に、人が二人居た


「…お父さん……お母さん……」


……アレは……両親?

でも、俺は忍、そんな事では斬る事をやめない

……興が冷めたな……明日にしよう

急にそう思ってしまい、俺はその場から離れた


「ナマエ殿、昨夜は眠れましたか?」

「幸村か……うーん……あんまりかな……枕が合わないとか……」

「さ……作用でございますか」


縁側でそんな会話をしていた旦那達を見つけ、いい事を思いついた

化けの皮を剥がしてやろう


「ナマエちゃんさー、本当に間者じゃないの?」

「……ん?患者?」

「さ……佐助!!まだ疑っているのか!?」

「え?私病気の患者!?」


一人だけ会話が噛み合わないが、スルーした

旦那に必死に止められたが構うもんか

旦那をなだめ、ナマエに近づいた


「……え?……びょ……病名は……?」

「何変なこと言ってんの?俺が聞きたいのは、ナマエは別の領土の人間じゃないのかって言ってんの」


あ……しまった……素で話したから呼び捨てだ……

俺の雰囲気を読み取ったのか、ナマエの目は少し怯えていた


「い……いや……わ…私も良くわかんないんだけど……」


震えた声で言う

でも、これくらいはそこら辺の間者でも出来る

俺がまだ責め立てていると、旦那が


「さ……佐助……もう良いだろう、お館様にも証拠を見せたんだ……ナマエ殿は信じ難いが……別の時代から来た者なのだ……」

「……旦那……」

「ッ……私……」


気づいたらナマエは涙目だった


「……そんな風にしてもダメだよ、しっかりと説明してもらおうか?」

「……ッ……」


最後の押しをした時、ナマエは涙を溜め込んだままその場を離れた


「あっ!!ナマエ殿!!」


すぐに後を追うとする旦那

その旦那の手を掴んだ


「佐助!!」

「言ったでしょ?怪しいって」

「しかし、佐助…ナマエは…親に会いたがってるのだぞ!?」

「だから、それも本当の親かも分からないでしょ!?そもそも怪しいの!!別の時代から来たなんて……」

「佐助……しかし……あれほど責め立てていいのだろうか……」

「旦那は甘いんだよ……」


そんな会話をしていると、お館様が来た

どうやら、大きな声で話し過ぎたらしい……


「何事だ…」

「お館様…佐助が……ナマエ殿を……」

「……お館様……やはりあの娘は怪しすぎます……間者かも……」


俺がそうお館様に言った時

お館様は眉間にしわを寄せた

……あ……殴られるのかな……

しかし、俺の予想は外れた、お館様はただ、仁王立ちをして


「……幸村、佐助……追わぬのか?」

「「……?」」

「佐助の言う通り、間者だとするときっと主に情報を言ったのち、また来るだろう……幸村の言う通り別の時代から来た者なのなら、そのままにしておくのもいかぬ……」

「「…………」」


確かに一理ある……

俺と旦那は顔を見合わせ、ナマエを追うことにした
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