Short(log)

□坂道と少女
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「無理しないでよ」


臨也にそう言われた

しかし、私は大丈夫と一言言った

私の家はいわば学歴を気にする家

いつもいつも、勉強勉強と口を酸っぱくして言われてきた

私もそれに答えたく努力した

しかし、空回り……

高校は私立の雷神学園だ

親は、私立だから一位を取れとうるさかった

しかし、努力を崩すように一位は取れなかった


「無理しないでよ、ナマエ…そのうち壊れるよ?」

「……うるさいな」


臨也はそんな私にそう言った

コイツはなぜか頭が良い


「私の家は学歴が全てなの」

「たまにはさぁ、遊ばない?ドタチンとかと……」

「遊ぶなんてできない、そんな暇があったら私は勉強する」

「……ナマエ」

「遊ばない、遊ぶ気もないよ」


そう言い放ち、帰った

勉強しか楽しみがない訳でもない、帰り道にあるこの坂……

見るといつも思う……


転がってみたい


間違いだって起こしてもいい

一度でもいいから、勉強とか学歴とか全て投げ出して、転がってみたい

いつもはそう思うだけだった

しかし、今日は違った


「ッ……!!」


私は、荷物をその場に下ろし


転がった


コンクリートに当たり、体が痛くなった

一生懸命に体勢を立て直し、一回前転できた

しかし、すぐに坂は終わってしまった


「……痛つつ……何やってんだか……」


体中に血が滲んだ、そして、痛む体を引き摺りながら戻り、荷物を取り


「………」


帰った

あの一回前転できた感動を忘れないうちに
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