Short(log)

□熱中症注意!!
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「はぁ……ついた……」


グラウンドから自販機までは少し遠い、駆け足で行くと少し疲れるのだ

肩で息をしつつ、自販機でお茶を買った

それを一口飲むと、乾いていた体が潤う

本当に自販機を作った人は素晴らしいと思うよ……

そう思い、飲んでいると


「あれ?ナマエじゃん」

「ん?」


声が後ろからした、名前を呼ばれたので振り返ると

同じクラスの沖田君がいた


「あれ?お前部活じゃなかった?」

「え?うん…そうだよ今ちょっとお茶が無くなっちゃって……」


そう言いながらお茶を飲んでいると


「そんなに喉乾きますかぃ?」

「んー?まぁ動いているからね」


と、少し意味深な雰囲気の質問をしてきた

……なんか裏があるな……沖田君のことだ……

少し警戒をして


「じゃあ、私行くね?」


と、言いその場を離れようとした

すると沖田君が


「あ、待ちなせぇ」


と、手を掴んできた

やっぱり裏があるよコレ!?


「な……なに?」

「ナマエ……お前さぁ……そんなに喉乾くのか?」

「あれ?なんか標準語……」


江戸っ子の沖田君には似合わない言葉が出た

少し戸惑っていると沖田君は私の持ってた蓋が空きっぱなしのペットボトルを掴んだ

すると


ゴクッ……


と、一口飲んだ

固まっていると


「……なんだ、しっかりと喉は潤うじゃないですかぃ」


と、言われ、ポイッとペットボトルを投げられた

……今……飲んでなかった?

口つけて飲んでたよね?

アレ……コレって……


「お……おお……沖田君……」

「ん?どうしやした?ナマエ」

「い……いいいい……今…………」

「今?」

「か……かかかか……かかか……んんん……かん……かん……」

「大丈夫ですかぃ?」

「だって……今……今……間接キス……してなかった?」

「……バレやした?」


少しおちゃらけた雰囲気で話す沖田君

その一言で私は爆発した

なにがって?顔だよ!!熱が爆発したんだよ!!


「おおおおお……沖田君……何してるのか分かってるのぉぉぉ!?」

「……」


プルプル震えながら沖田君に言うと

沖田君は少しだけ顔を赤くしながら


「……ッ……俺は嫌いな奴にはこんな事しやせんよ、ナマエ」


と、言ってきた


「誰が嫌いな奴だ!!本人前に言うか!?…………って……え?」


ツッコミを入れようとした時違和感を感じた

……え?"嫌いな奴にはこんな事しやせんよ"……


「沖田君……今なんて?」

「分かんないんですかぃ?」


少し馬鹿にした口調で沖田君は言った

そして、続けざまに


「ナマエが好きだと言ったんでさぁ」


と、言ってきた

そう言われた瞬間私は倒れた

原因は脱水症状と熱中症だ

体温が上がりすぎて喉が乾き、この炎天下の中だ

起きた時、隣に沖田君が居て私は治ったはずの熱中症が再発した

それから、しっかりと沖田君が告白をしてきて、私は断る理由も無かったので、その告白を受け入れた
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