Short(log)
□約束
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(イヴ視点)
美術館を脱出してからギャリーともナマエとも遊ぶようになった
でも……
「見てみて〜ギャリー、イヴ新作アイスだって!!」
「ナマエ……アンタ本当にそういうのが好きね……」
「えー、いいじゃない、イヴ、一緒に食べようよ」
「…………え!?あ……うん!!」
しまった……考えていたら……つい
反応が遅かった私を見てか、ナマエとギャリーが顔色を見てくる
でも、私は別に体のどこが悪いとかそういうのではない
……ナマエが……
ナマエが最近遊んでくれないから……
ギャリーと一緒ではよく遊ぶ
でも、二人で遊ぶ そういう事が一度もない……
ナマエとは一回約束したはずだ……脱出したら、一緒に遊ぼうって二人で……遊ぼうって
もしかして……ナマエ忘れちゃったの?
「じゃあ……次は……どこに行きたい?イヴ?……イ…ヴ?」
「ん?どうしたのナマエ?イヴがどうかした……!?イヴ?」
そんなことを考えていると、私は泣いてしまった
ナマエが約束を忘れちゃったんじゃないのかって……そう思って……ナマエは私といるよりギャリーと居た方がいいのかなって
怖くて……不安で、ナマエはそういう事をしない人だって分かってるのに、涙は止まらなくて……
「ッ……うッ……ナマエ……」
「イヴ……どうしたの?どこか痛いの?」
「……イヴ?」
二人が困っているのを見て、ハッとした、私が……泣いているせいで二人が困ってる……
ごめんね……二人共……
「……めん……ね……ッ……ご……めんね……ッ……ナマエ……ギャリー……ッ……」
「「え?」」
「私のせいで……ッ……困らせちゃって……ッ……私……ッ……私……ッ」
「……イヴ……」
しゃっくりが出てきて、うまく喋れない
でも、ちゃんと言いたくて、話していると
ナマエが急に抱き着いてきた
「……?ナマエ?」
「イヴ……私は別に困ってないよ……イヴが泣いてて……理由が知りたくてね……イヴは……大切な友達だもん……何かあったら大変でしょ?だって、イヴが大きくなったら一緒に二人で……買い物に行きたいから……ね?」
「そうよ、イヴ……別に困ってなんてないわ……イヴが悲しそうにしてるもの……ほっとけないだけよ……涙、拭きなさい……可愛い顔が台無しよ」
「ナマエ……ッギャリー……」
「イヴ……落ち着いた?」
ナマエがニッコリと笑って頭を撫でてきた、ギャリーがハンカチで私の涙を拭いていた
それに、さっきのナマエの言葉……
「イヴが大きくなったら一緒に二人で……買い物に行きたいから……ね?」
確かにナマエはそう言っていた
そうか……今からだとまだ子供だから……思う存分に買い物ができないんだ……私がそうやって服とかに興味を持ったらナマエは連れてってくれる予定だったんだ……
「ッ……ナマエ!!」
「うわっ……と……」
私は嬉しくってナマエに抱き着いた、勢いが良すぎたのかナマエは少しよろけたけどすぐにバランスを取った
私は、少し前の自分が恥ずかしいのと、嬉しいのが混じってナマエの服にしがみついた
「……イヴ……」
「ナマエ……ごめんね……私……ナマエが約束を忘れているんじゃないかって思っちゃって……一瞬でもナマエの事を疑っちゃったの……ッ……ごめんね……」
「……イヴ」
ナマエに呼ばれて顔を上げるとナマエがまた頭をポンポンッと撫でてくれた
そして
「ごめんね、私が最初に言っといた方が良かったね……イヴには内緒にして、サプライズにしようと思ってたんだよ……それがイヴの気を使う事になっちゃって……ごめんね……」
「……ッナマエ……」
そんな優しい事を言われたらまた涙が出てきちゃう……
ナマエは、私が思っている以上に優しくて、人を驚かせるのが好きな大切な友達だと理解した
そして、しばらく二人で抱き合って泣いていた
その時の事をギャリーが後日「アンタら二人で泣くから、私が悪いことしたみたいになって、ちょっと恥ずかしかったわ…」と、言っていた
「……ごめん……」
「ごめんなさい……」
ナマエと二人で謝って、また三人で笑った
はやく大人になって、ナマエと買い物に行きたいな……