Short(log)

□雨
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山崎と付き合ってから半年が経った

万事屋と真選組、ただでさえ犬猿の仲なのに、私は山崎のさりげない優しさに恋をしてしまった

でも、何かが引っかかる……

山崎は、私の事なんて好きじゃないのかなって……


「ナマエ、ごめん……最近仕事入って……デート……今度でいい?」

「えー……もう……仕方ないな……」


ほら、また

山崎とデートをしたのも数回、でも最近は減ってる気がする

それも、いつも山崎から断る……

……なんだかなぁ……

山崎が万事屋まで送ってくれた、そして彼が街中を歩いて行くのを見て、万事屋に入った


「ただいま〜」

「ナマエ!!お帰りアル!!」

「神楽……銀さんと新八は?」

「買い物に行ったアルよ?」

「そっか……」


こんな、天気が悪くなりそうなのによく行く……

今、空は灰色の曇が覆っていた

雨でも降るかな……雨が降ったら二人に傘を届けよ……

そう思い、ソファーに座った


「……?ナマエ?」

「んー?」

「元気ないアルよ?」

「……!!……うん……少しね」

「大丈夫アルか?」

「……うん」


どうしても、山崎のことが気になる、彼は……本当に私のことが好きなのか……仕事と言いながらなにか別のことをしてないのか……

そんな嫌な事を思い浮かべてしまう

ため息をついて、テレビをボーッと見ていると


「ただいま〜良かったよ…雨降らなくて」

「お?ナマエ、帰ってたのか」

「お帰りアル!!酢昆布買ってきてくれたアルか?」

「買ってきたよ神楽ちゃん」

「お帰りなさーい」


二人が帰ってきた

どうやら、雨が降る前に帰る予定だったみたいだ

二人がリビングに入って来た時、銀さんが「あ、そう言えばよ」と、何かを思い出すように言ってきた


「どうしたの?」

「ナマエ、お前さっき…本屋に居なかった?」

「えぇ!?居ないよそれに、私だいぶ前に帰ってきたし」


そうだ、山崎と別れてからどこにも行ってない

すると、銀さんは新八と顔を見合わせて


「えー……でも、ジミーもいたよな?」

「そうですよね……山崎さんと女の人が居たから……てっきりナマエさんかと……」


新八にそう言われ、まるで頭を殴られた気分になった

……山崎が……女の人と?

それって……私と別れてから……女の人に会いに行ってたの?

頭の中が真っ白になり、荒い呼吸をしていると


「……ナマエ……大丈夫アルか?顔色が悪いヨ?」

「……ッ……か……神楽……」


神楽が私の裾を引っ張ってきた

状況を理解した私は、慌てて外に出た


「おいッ!!ナマエ!?」

「ナマエ!?どこに行くアルか!?」

「ナマエさん!?」


三人が私の名前を呼んだが、頭に入らなかった

私の頭の中には、もう山崎しかなかった

あの笑顔も、あの手の温もりも

全部

全部

嘘だったの?
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