Short(log)

□夏休み補習
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セミの鳴き声

数m先の景色は陽炎によってボヤける

下のコンクリートから熱気が飛び、スカートの中を蒸し暑くする

……夏だ……

いや、夏の中旬、いわば夏休みだ

そんな夏休みになんで制服かって?

それはね……


「補習嫌だァァァァァァ!!」


テストが赤点で補習だ

……うぅ……中学に戻りたい……

悪い点を取っても……「あっやっべーテヘペロー」で済んだ中学……


「ハァァァァ…」


しかも、問題は補習の教科……

国語……国語と言ったら思い当たる人物は一人……

銀魂高校で一番のグータラ教師……

坂田銀八……

何故かアイツは苦手だ……担任だけど……


「……帰っちゃおうかな……そうしよう……」


帰って、部屋に引きこもろうとして、Uターンした時


「おいこら、なに帰ろうとしてんだナマエ、てめぇのせいで俺も暑い中学校に行くんだよ」

「…………げぇぇ……」


道路から声がしたと思ったら、いつもの原付に乗ってる銀八が居た

クソ……多分あれに乗ったら涼しいんだろうな……


「……銀ぱ……先生、乗らせて下さいよ」

「あぁ?ダメだ、ガキは歩いていけや……ってあれ?なんでもう乗ってるの?」

「いいじゃないですか〜乗らせろよ〜」

「…………チッ……仕方ねぇな」


舌打ちをしながら渋々許可してくれた銀八………なんだ、いいところあるじゃないか……

……なんか、銀八のクセに腹立つ……

こう、なんか……自分のヘルメット取って被せるところとか……なんかしゃくに障る……


「……なんかいい事ありました?」

「なんでだ?」

「……なんとなくです」

「特にねぇよ…どっかの馬鹿のせいでこうして暑い中運転してんだから……」

「嫌味ですか……」

「あぁ、嫌味だ、文句あるか」


……だから嫌い……

銀八の背中を眺めて、そう心の中で毒づいた
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