Short(log)
□別れ話
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「ふぅ……」
昼の池袋は人が多い、夜の方がマシだと思う
近くで馬の様な鳴き声が聞こえた、セルティだ……
そういえば、セルティと仲良くなったのも静雄のお陰だっけ?
……静雄……ねぇ……
考えたら涙が出てきた、そんな涙を拭きながら、何かを飲もうと思いマ●クに向かい、シェイクを頼もうと考えた
そして、気付いた……私は……何やってんだろ……よくよく考えたら、今から寄る所は……全部静雄と縁があるとろこじゃないか……
あそこの自動販売機も……あの標識も……全部……全部……静雄が……
「っ……う……」
我慢しなきゃ……こんなところで泣いたら……不審者だ……
落ち着いて……泣くな……
「っ……ぁ…」
私の涙はそんな考えを無視して溢れてきた
「ぅ……」
「……おい、何泣いてんだよ、大丈夫か?」
「……?」
この声……
恐る恐る顔をあげたら
静雄だ……
私の体は、考えるよりも先に動いていた、静雄の反対方向に走っていた
「あっ!!おい!!」
「っ……ハァ……ハァ……」
静雄は追いかけてくる、元々優しい人なんだ…誰かが泣いていたらほっとけないんだ……
私の足は、やっぱり静雄には敵わず追いつかれてしまった
「おい……てめぇ……なんであんなところで泣いていたんだよ…………その……ナマエ……」
「……!!」
もしかして……
「き……気付いていたの……?」
「……あー……まぁな……その……」
静雄は頭を掻きながら言いにくそうに言った
それもそうだ、つい最近別れたのに笑顔で話せるわけが無い
「……ナマエ……なんであんなところで泣いていたんだよ……やっぱり、俺のせいか?」
「……違う……宝クジが当たってなかったから……」
嘘をついた、そんなことバレたら恥ずかしい
「……宝クジって……そうそう当たるかよ……」
「……」
「正直に言えって……俺のせいなんだろ?」
「……っ……分かってるなら……なんで……急に……」
そう言って、また涙が溢れてきた
「…………悪い……俺……まだ力が制御しきれてないだろ?……この前、後少しで、人を殺すところだったんだよ……だから……ナマエも危険だと思って……」
「……静雄……」
「……なんだよ……」
「……別れ話を聞いて……自殺したかもよ?私……」
「なっ……!!」
大袈裟な嘘をついた、静雄だって似たようなものだ、そんなことで私のメンタルをズタズタにしたのだから
静雄には少しだけ天罰を下した
どう来るか……と思っていると
「え……?」
静雄は私を抱き締めた
「し……静雄?」
「……ナマエ……悪かった……ごめん……俺……」
「……フフ……」
ついつい笑ってしまう、だって、あの静雄が必死になって謝っているのだから
私は、静雄の背中に手を回して
「いいよ、許してあげる」
と、言った
それから、私達は一緒にマ●クのシェイクを飲んだ
シェイクは、いつも以上に美味かった
そして、帰ったとき、携帯を見ると……
不在着信……臨也 163件
と、書かれていた
……臨也は、暇人なんだと改めて思った
そして、そんな事が書かれた携帯は、静雄の手により丸められた