Short(log)

□触れたい
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(山崎視点)


触れたい……

ナマエとの帰り道でそう思う

いつもどおりの帰り道、ナマエと俺はただ、帰り道が同じだけの仲だ

クラスが同じでも、教室では全く話さない

だから、今も……ナマエは音楽を聴いている

……ナマエの事が好き

そんな思いに気が付いたのはだいぶ昔だ

三年間、同じ帰り道を通っているが俺の勇気有る行動は、不発に終わっている

……今日こそは……今日こそは、ナマエの手を握って言う!!

好きだと……


「ふふ〜ふふふ、ふふふっふ〜」

「……」


鼻歌歌ってる……

そんな仕草も可愛いと思う俺は重症かもしれない

どうにかにて、あの目障りなイヤフォンを取らないと……

どうすればいいか考えていた時


「あ、」


ナマエがイヤフォンを取った

どうやら、接触がおかしいみたいで聴こえなくなったみたいだ

これは……チャンス!!


「どうしたの?」

「あぁ、山崎か…いやね、イヤフォンの接触が……」

「…ナマエ…俺がやってみようか?」

「え?マジ?お願い」


よし、やった!!

あとは……このイヤフォンを直して…話をすれば、チャンスがくる!!

俺はなんとかイヤフォンを直して、計画通り事を進めた


「そういえば、ナマエって大学行くの?」

「んー……迷い中」

「へー」

「お前は?」

「俺?俺は…まぁ、俺もかな?」

「ふーん」


……いかん……いかんぞ……

会話が途切れたらナマエは絶対に音楽を聴きなおす……そうなったらダメだ……


「あ、そういえばさ〜こうして話すのも珍しいよね」

「え?」

「いや、何年も帰っているのにあんまり、話さなかったし」

「あ……あぁ、そうだね」


これは…本当に行けるかも……!!


「ね……ねぇ、ナマエ」

「ん?」


俺は、今まで願っていたナマエの手を握った


「え?や……山崎?」

「……ナマエ……あのさ……」


ナマエは、焦っている表情をしている

それでも、俺はお構いなしに、今まで練習をしたり、夢の中で言った言葉を言った


「…実は、前から好きだったんだ、付き合ってくれないかな?」


と、すると、ナマエは……

一瞬驚いた顔をしてがすぐに戻った、そして、顔をほんのり赤くして

ゆっくりと、頷いた

こうして、俺の三年間の夢は叶った

今日は、俺にとって最高の一日なのかもしれない
 

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