Short(log)

□君との文通生活
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「……返事ある……」


帰りの時、今日は政宗は部活なので一人で帰る事になった

そして、文通の事もあるので図書館に寄った

昨日のように毛利君は居なかった


「……すごいなー……本当に文通出来るんだ」


感心しながら返事を読んでみた


『いいが、イニシャルを教えてくれ。私はMと呼んでくれ』


……固い……

固い……固いよ……この人……

ま、まぁいいやとにかくやってみよう


『すいません、イニシャルは##NAME2##です。Mさんは、趣味とかありますか?』


とにかく、話題を変えてみた

そして、私は帰った



それから、1ヶ月位Mさんと話をした

最初は固かったMさんも、少しは楽に話せるようになった

なんでも、固く話してしまうのは癖らしい

よく、私が帰るときに図書館に寄るので政宗は、本気で心配されているが……

ちなみに、Mさんは私と同じ三年生、そして、今は3月

つまり……

あと少しでMさんとお別れだ

別に悲しくは無かった

ただ、どんな人か気になった

今まで話していたのはどんな人だろう、どんな声をしているのか、どんな体型か……

日に日にその思いは高まってきた

そして、ある日Mさんに聞いてみた


『会うことは、出来ないですか?どんな人でもいいです。ただ、顔を見たいんです…今まで話していたのはどんな人か確かめたいのです…』

と、いつものように書いて本を戻した

返事が来ることを祈りながら



返事が来なくなって一週間がたった

もう、卒業式の練習も仕上げに掛かってきている

毎日確認したが、返事は無かった

まだ、あの私の文のままだ

……やっぱり、気を悪くしたのか……


「はぁ……」


まぁ、ダメ元でやったから……

そう思いながらも私の足は勝手に図書館に向かう

そして、開いてみると



あった


Mさんからの返事が


「え……嘘」


慌てて見てみると


『しばらく返せなくてすまない。戸惑ってしまった。私も会いたい…##NAME2##がいいなら、それでいい…会う日は卒業式にしよう、その方がいいだろう、場所は図書館でいいか?』


嬉しかった

返事があること自体も嬉しいのに、会えるなんて

私は慌てて返事を書いた


『よかったです、もう終わりなのかと…分かりました、卒業式の日の図書館ですね、楽しみにしています。』


そう書いて、私は本を戻した

卒業式の日、どんな人に会えるかと思いながら



あっという間に卒業式の日になった

この三年間…長いようで短い高校生活も終わりだ

あまり、涙は出なかった

そして、卒業式が終わり、校門や教室で話したり、写真を撮ったりする生徒に紛れて一人、図書館へ向かった

あ、政宗とかには、しっかり挨拶したよ?さようならって

ま、別れないけど…家となりだし
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