Short(log)
□君との文通生活
2ページ/3ページ
「……返事ある……」
帰りの時、今日は政宗は部活なので一人で帰る事になった
そして、文通の事もあるので図書館に寄った
昨日のように毛利君は居なかった
「……すごいなー……本当に文通出来るんだ」
感心しながら返事を読んでみた
『いいが、イニシャルを教えてくれ。私はMと呼んでくれ』
……固い……
固い……固いよ……この人……
ま、まぁいいやとにかくやってみよう
『すいません、イニシャルは##NAME2##です。Mさんは、趣味とかありますか?』
とにかく、話題を変えてみた
そして、私は帰った
それから、1ヶ月位Mさんと話をした
最初は固かったMさんも、少しは楽に話せるようになった
なんでも、固く話してしまうのは癖らしい
よく、私が帰るときに図書館に寄るので政宗は、本気で心配されているが……
ちなみに、Mさんは私と同じ三年生、そして、今は3月
つまり……
あと少しでMさんとお別れだ
別に悲しくは無かった
ただ、どんな人か気になった
今まで話していたのはどんな人だろう、どんな声をしているのか、どんな体型か……
日に日にその思いは高まってきた
そして、ある日Mさんに聞いてみた
『会うことは、出来ないですか?どんな人でもいいです。ただ、顔を見たいんです…今まで話していたのはどんな人か確かめたいのです…』
と、いつものように書いて本を戻した
返事が来ることを祈りながら
返事が来なくなって一週間がたった
もう、卒業式の練習も仕上げに掛かってきている
毎日確認したが、返事は無かった
まだ、あの私の文のままだ
……やっぱり、気を悪くしたのか……
「はぁ……」
まぁ、ダメ元でやったから……
そう思いながらも私の足は勝手に図書館に向かう
そして、開いてみると
あった
Mさんからの返事が
「え……嘘」
慌てて見てみると
『しばらく返せなくてすまない。戸惑ってしまった。私も会いたい…##NAME2##がいいなら、それでいい…会う日は卒業式にしよう、その方がいいだろう、場所は図書館でいいか?』
嬉しかった
返事があること自体も嬉しいのに、会えるなんて
私は慌てて返事を書いた
『よかったです、もう終わりなのかと…分かりました、卒業式の日の図書館ですね、楽しみにしています。』
そう書いて、私は本を戻した
卒業式の日、どんな人に会えるかと思いながら
あっという間に卒業式の日になった
この三年間…長いようで短い高校生活も終わりだ
あまり、涙は出なかった
そして、卒業式が終わり、校門や教室で話したり、写真を撮ったりする生徒に紛れて一人、図書館へ向かった
あ、政宗とかには、しっかり挨拶したよ?さようならって
ま、別れないけど…家となりだし