Short(log)

□君との文通生活
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最初はただの暇つぶしだった


「あー……暇、政宗ぇ〜なんか踊って」

「Ah?」

「腹踊り一択で」

「ふざけんな、なんで俺が腹踊りしなきゃいけねぇんだよ」

「私が暇だから」

「……ナマエ……お前一回病院に行った方がいいんじゃね?」

「えー……」


いつものように幼馴染みの政宗と帰り道で話す

ふと、図書館に忘れ物をしたことを思い出した

しまったな……あれ明日提出する課題……


「政宗〜先帰ってて」

「なんでだよ?」

「忘れ物」


政宗にそう言って私は来た道を戻った



「ふぅ……」


ようやくたどり着いた……

大変だった〜

そんなことを思いながら図書館の扉を開ける


「……あ」


先客がいた

同級生で同じクラスの毛利元就君

……なんか近寄り難いんだよな〜


「……なんぞ……入らないのか?ならば閉めよ」

「え……あーいや……忘れ物を取りに来たんだよ…」

「……」


返答は無かった

なんだよ、人がせっかく答えてあげたのに……

心の中で悪口を言いながら忘れ物を取る

すると


「……我はもう行くが…施錠はしておけよ」

「え?」


一方的に言い放たれて扉を閉められた

……なんだよ……

ボケーっとしていると、ふと、面白いことが浮かんだ


「……そうだ……」


適当な本を取り、紙切れを入れた

なんとなく、文通をしたかった

誰でもいい、ただの暇つぶしだ


『はじめまして、突然でなんですが、文通をしませんか?』


そんな文字を書いて本を戻した

そして、毛利君に言われた施錠をして帰った

帰り道は、政宗は居なかったが何故か楽しかった
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