Short(log)

□冷めていく
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「メアリー、ギャリーの青いバラより、私の白いバラと交換しよ?」


そう言ったのは何時だろう

メアリーが去ってから帰ろうと思い廊下を歩いていると身体に激痛が走った

ギャリーとイヴが心配そうにこっちを見ている

いや

ギャリーは、もう泣いていた

イヴは、あまり理解してないみたいだ


「ナマエ……?」

「ナマエ!!しっかりしなさい!!」

「……ッ…ハァ…ハァ……」


駄目だ…身体が……心臓が…えぐられている様だ…


「待ってなさい!!今からメアリーから取り返してくるから!!」

「わ…私も!!」


そう言い二人は走っていった


「行かないで…」

「「ッ!?」」


何故そう言ったのか自分でも分からない

でも、本当はもう分かっていた

私は…死ぬと


ー好きー

ー嫌いー


花占いをしている様にメアリーらしき声が聞こえる


「なに言ってるの!!急がないと…アンタが……!!」

「うん…分かってる…ッ…でも、でも……最期は…一緒にいて……」

「ナマエ……」

「なに……言ってんのナマエ!!諦めたら…!!」


ギャリーのお説教が来る前に私は二人に抱きついた


「ナマエ……?なんで泣いてるの?」


イヴが私の涙を拭いた

あ、泣いていたんだ…気付かなかった…


「……ナマエ……ッ…」

「大丈夫……二人共…メアリーの事は怒らないであげて………メアリーはずっと一人だったから………」

「嫌だよ…ナマエ……」

「しっかり……しっかりしなさい…アンタが……ナマエがしっかりしないと…イヴが……泣くわよ…ッ…」


ー好きー

ー嫌いー


まだまだ激痛が走る

でも、そろそろ終わりだ…この激痛も、二人と話すのも…この、心臓の動きも


「イヴ……ごめんね…私遊ぼうって約束したのに…ギャリー…マカロンは、また、今度ね……」

「ヤダ…ヤダよぉ…ナマエ……そんなこと言わないで……私は…ギャリーとナマエと遊びたい…」

「ッ…そうよ……やめて…そんなこと………アンタらしくない…ナマエらしくないわよ…」

「アハハ…ごめん……ね……イヴ、ギャリー……バイ……バイ、楽しかった…………」

ー好きー


最後にメアリーの様な声が好きと言って私の心臓は止まった

イヴとギャリーの泣き顔を見ながら

三人で…この三人でマカロン……食べたかったな…
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