Short(log)

□蕎麦戦争
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見回りをサボり、昼ごはんに蕎麦を食べに行った

行き付けの蕎麦屋だ

ここのとろろ蕎麦は旨すぎる…


「おやっさん〜いつもの〜」

「あらぁナマエちゃん、久しぶりだねぇ〜仕事大変かい?」

「ん?まぁね〜」


いつもの席に座りとろろ蕎麦を待っていると

新しい客が来た

興味もないのでボーッとメニューを見ていると


「なっ!!真選組!?」


と、驚いた声が聞こえた


「あ?」


攘夷浪士かと思い、振り返ると


「ヅラかよ…」

「……ナマエか…」


ふぅ…っとため息が出てしまう

この堅物が……


ヅラは、当たり前のように私の隣に座った


「なんで隣?」

「いけないか…それに俺はヅラじゃない桂だ」


ちっ…うるさい…


「いけないでしょう…だって、攘夷志士と真選組が隣同士って…」

「別に大丈夫だろう」

「ふーん…ま、どうなっても知らないよ」


手錠を掛けようかと思ったがやめた、めんどくさい


少ししておやっさんがとろろ蕎麦を出してくれた


「やった〜いただきまーす」

「とろろ蕎麦か…そんなチャラついたもの…」

「なんだと?」

「ナマエ……貴様は侍だろ?侍がそんなチャラついた物を食べるなど…あ、オヤジ殿…俺には普通の蕎麦を…」


ずるずると蕎麦を食べていると

また、ヅラがなにかを言ってきた


「ナマエ……女子がそんな音を立てて食すな…」

「うるへぇ」


イライラしたので蕎麦を加えたまま言った

すると、少ししてヅラが頼んだ蕎麦が出てきた


「うむ、うまい……」

「堅いな…」


やっぱり、ヅラは堅物だ…

見ていて良いことを思い付いた


「おやっさん!!」


慌てておやっさんを呼んだ

そして、耳打ちをした


「ナマエちゃん〜なかなかえげつないことをするねぇ〜」

「ハッハッハッ!!おやっさん……怒るよ?」


おやっさんを軽くあしらい用意してもらった

それは……とろろだ…

そう……このとろろをヅラの蕎麦に掛けるんだ…


てれっれれれれってれっれれれれてれっれれれれれれてってってってれっれれれっれれれれっれれれれれ♪


と、脳内で某三分クッキングの音楽を鳴らす

そして……掛ける!!!!


トロォ…


と、ゆっくりと落ちていったとろろは見事ヅラの蕎麦に掛かった


「あ"ァァァァァァ!!」

「フハハハハハハ!!」


ヅラは絶叫した

おやっさんは、ラスボスみないな笑い方をした


「ナマエ!!貴様!!俺の蕎麦に何をする!!」

「うるさいなぁ!!旨くしてやったんだよ!!」

「なんだとォォォ!!」


ヅラは、慌てた様子で蕎麦をすすった

いや、食うんかい…


「……」

「……どうよ?」


黙ってしまったので聞いてみた

すると…


「ナマエ……味覚…大丈夫か?」

「…………」


それから、おやっさんの叫び声の


「桂の旦那…それは家のとろろが不味いってことかァァァァァァ!!」


と、私の叫び声の


「ヅラァァァァァァ!!死ねぇぇぇぇぇぇ!!」


と、ヅラの悲鳴の


「ぬあ"ァァァァァァ!!」


が、蕎麦屋で響いた
 

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